Veolia社とフランス首都圏水道組合、水サービスのための統合管理センターServOを開設

Veolia社とイル=ド=フランス水道組合(SEDIF)は2016年10月14日、水サービスのための統合管理センターServOを開設した。ServOはVeolia社が630万ユーロを投じて開発したフランス最大の最先端技術センターであり、イル=ド=フランス地域圏(首都圏)の住民のうち約450万人*1の水サービスの質に係る12億5000のデータを処理することができる。

ServOは、次のようなサービスの構成要素に係るすべてのデータを一括処理することにより、継続的な水供給、消費者の健康及び危機防止・管理を保証するための重要な意思決定を支援する。

  • あらゆるオペレーショナル・コンフィギュレーションにおいて質・量ともに十分な水を製造・供給する。
  • 水の製造、供給あるいは質に影響を及ぼすあらゆる事象に対応する。
  • 消費者にリアルタイムで正確な情報を提供する。
  • 水供給ネットワークの良好な機能を保証する。

ServOの設計は、Veolia社の子会社であるVeolia Eau d’Ile-de-Franceが担当した。ServOは、SEDIFのために、すべての操業データを集中化・統合化し、水源から蛇口までのサービス管理を監督・計画し、さらにエネルギー消費・環境影響・操業コストを最適化するための戦略を提案する

Veolia社のアントワーヌ・フレロ(Antoine Frérot)会長兼最高経営責任者(CEO)はServOの開設に際し、「フランス最大の水事業者は、最良の技術を享受するに値する。ServOを得たことで、大規模な都市型の水サービス管理ビジネスの観点から、リスク防止の観点から、また、大都市が直面している環境上の問題ならびに社会的な問題と我々のビジネスとをいかに整合させるかという観点から、我々は大きな飛躍を遂げた」と述べた。

また、SEDIFのアンドレ・サンティニ(André Santini)代表は「この技術革新は、合理的なコストで透明性と利便性を両立させつつ消費者の満足度と持続可能な管理を保証することに専心している、パリ大都市圏*2の水サービス公共事業体としてのSEDIFの技術的リーダーシップを強化する」と、ServOの意義を強調している。

SEDIFは1923年に設立され、パリ大都市圏の150のコミューンのための水の製造及び供給を担っている。SEDIFのプラントはセーヌ川、マルヌ川及びオワーズ川の沿岸に立地しており、それらのプラントでは年間約2400億リットルの水が製造されている。

*1 イル=ド=フランス地域圏の人口は約1200万人(フランス全人口の約19%)なので、ServOは首都圏人口のうち37%強をカバーすることになる。

*2 パリ大都市圏(Grand Paris)はイル=ド=フランス地域圏の大部分の範囲を占めている。