台湾環保署、「水汚染防止措置計画および許可申請審査管理弁法」を改正

台湾行政院環境保護署(以下、環保署)は、2016年10月28日、「水汚染防止措置計画および許可申請審査管理弁法」(以下、本弁法)の改正を公表した。今回の改正の目的は、実務上の管理に基づき、また、水汚染防止措置および検査申告管理弁法の改正に合わせて、試運転や機能試験の許可手順の簡素化を図り、処理機能の向上を奨励すること、加えて、許可条件の強化により、貯留と偽り迂回排出する行為の根絶を図ることである。

主な改正点は、以下のとおり。

  1. 試運転変更手順の簡素化が図られた。試運転期間における変更が、サンプルの採取頻度、位置、水質項目、製造プロセスの操作条件、排出する廃水(汚水)水量、含有する汚染物質およびその適合すべき濃度規制値に関係しない場合、試運転計画の変更処理が免除される。また、機能試験報告の提出時には、訂正後の申請資料および調整内容の説明についても合わせて送付しなければならない。
  2. 廃水(汚水)処理施設の操作パラメーターの承認原則については、機能試験結果に基づき認定することが明確に定められた。操作の管理にも柔軟性を持たせ、許可証に登録した操作パラメーターについては、±10%の範囲まで誤差が許容されるという内容が追加された。
  3. 機能試験条件の簡素化が図られた。下記に当てはまる場合、機能試験が免除される。
    (1) 廃水(汚水)処理施設ユニットを追加または処理施設容量を拡張し、かつ、下記の条件に当てはまる場合。
    ① 廃水(汚水)の1日当たり最大処理水量が増加していない場合。
    ② 以前の廃水(汚水)承認水質に変更が生じていない場合。
    ③ 厳格化された基準への対応ではない場合。
    (2) 施設ユニットの更新。
    (3) 処理施設ユニットに付属する機械・道具装置のみの変更。
    (4) 牧畜業で設置するメタンガス収集容器。
  4. 工程改善または機能試験実施期間における変更手順の簡素化を図った。迅速に改善を実現するため、製造プロセスの操作条件、排出する廃水(汚水)水量、含有する汚染物質およびその適合すべき濃度規制値を変更した場合のみ、発給機関による同意を経た上で変更処理を行うという内容に改めた。
  5. 廃水(汚水)処理施設機能の技術または措置の向上を図るよう事業者を奨励するため、技術試験実施の規定が追加された。事業者は、地方主管機関への技術試験計画の届出を行い、同計画の内容および期間に基づき試験を実施するとともに、水汚染防止措置計画の承認文書または許可証(文書)に登録された収集、処理ユニット、手順、排出口に基づき廃水(汚水)を排出すること。
  6. 廃水(汚水)の回収を積極的に実施するよう事業者を奨励するため、専門家や学者の協力を得て実施する審査および現場検証での認定条件を、廃水(汚水)回収率90%から100%に変更した。
  7. 発給機関による水汚染防止措置計画の承認文書、許可証(文書)の受け取りに関する通知手順、および事業者または汚水下水道システムの証明書未受領における処理方法を追加した。事業者は、発給機関による通知日から14日以内に許可証(文書)の承認内容を本署指定のウェブサイトにて公開するとともに、証明書料金を納付し、水汚染防止措置計画承認文書、許可証(文書)を受け取ること。
  8. 水汚染防止措置計画および許可証(文書)の申請が免除される対象が追加された。追加対象は以下のとおり。曝気処理後に発生したバイオガススラリー・バイオガス残渣の全量を農地の肥料成分として使用している牧畜業、ならびに牧畜糞尿資源化処理センターの経営管理業者、および腎臓透析用ベッド(台)を設置した診療所。
  9. 変更資料の許可手順が簡素化され、水質・水量自動モニタリングおよびオンライン伝送施設の設置工事完了写真の添付が免除された。
  10. 貯留許可を申請しながらも迂回排出するという悪徳製造業者による行為を阻止するため、貯留許可を取得済みだが違法に廃水(汚水)を排出し、かつ、汚染物質の濃度が基準の5倍を超過、または水素イオン濃度指数が2未満もしくは11超の状況で、2度目の摘発となる場合、排出許可証を申請しなければならない(貯留許可の申請は不可)という規定を追加した。

なお、改正された「水汚染防止措置計画および許可申請審査管理弁法」の原文および改正説明は下記のURLにて閲覧可能である(中国語:繁体字)。
http://enews.epa.gov.tw/enews/fact_Newsdetail.asp%3FInputTime%3D1051028162236&usg=ALkJrhinhEd5_aAD18hEz8aYpRjrOfQ8rw

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