ブラジル国家水資源局、国家水質モニタリングネットワークを開始

ブラジル国家水資源局(Agência Nacional de Águas:ANA)は2017年2月26日、国家水質モニタリングネットワーク(RNQA)の運営を開始し、13の州の代表がモニタリング用の機器を受領した。すでにブラジル国内の16の州では、州水質モニタリングネットワークが運営されている。RNQAの目的は、水質のモニタリング、検査、水質に関する情報を社会に提供すること、ブラジルの水資源管理を支援する知識を提供すること、汚染にさらされている地域を見つけ出すこと、水の許認可や検査、計画策定を支援することなどである。

RNQAはANAと水資源や環境管理の様々な機関との協議を経て構築されたが、既存の州のモニタリングネットワークの計測ポイントを利用して作られている。目標は2020年12月までにすべての州と連邦区に合計4452の計測ポイントを設置することであり、2017年6月までに、16の州にはモニタリング用の機器と研修が提供され、すでに州の機器が設置してある1200の測定ポイントにも設置され稼働する予定である。ANAは合計で954万レアル(約3億4300万円)を水質モニタリング装置などの測定機器や測定用の車両、船舶に投資している。

RNQAでは、収集されたデータ、収集方法、得られた数値の分析を標準化し、国中の様々な場所の計測ポイントで得られた情報を比較することができる。計測ポイントで収集する最低限のデータは、物理化学的データ(透明性、水温、溶存酸素、pH、生物化学的酸素消費量等)、細菌データ(大腸菌群数)、生物学的データ(クロロフィル、植物性プランクトン)、栄養データ(窒素、リン)である。RNQAで収集されたデータは、ANAの水文学情報システム(HidroWeb)に入力され、水源情報国家システムに統合される。RNQAは、水質検査国家プログラム(PNQA)から派生したものであるが、PNQAの目的はブラジルの水質に関する情報を向上させ、水質の回復についての公的政策を策定する際の意思決定を支援し、水源の持続可能な管理を行うことである。現在、ANAは、PNQAを実施するため、ブラジルの26の州と連邦区との間で技術協定を結んでいる。