マレーシア、水質汚染を繰り返す違法な養鶏場と肥料工場に対し法的措置へ

2017年10月30日に現地で報じられたところによると、マレーシア天然資源環境省(DENR)は同日、ジョホール川の水質汚染を発生させた川沿いの養鶏場と肥料製造工場に対し、厳しい処分を要請した。これは、ジョホール川のアンモニア値が基準値を超過し、ジョホール川を取水源とする3つの浄水場が閉鎖された事態を受けたものである。この養鶏場と鶏糞を使用した肥料工場は隣接し、無許可で操業していた。

ジョホール州評議員を務めるHasni Mohammad氏はマスコミの取材に対し、水質汚染の原因と特定されたこの違法な肥料工場に対し、法的措置を取ると述べた。一方でDENRのWan Junaidi Tuanku Jaafar大臣は、起訴された養鶏場および肥料製造会社の経営者をブラックリストに掲載し、今後彼らが環境や健康に被害をもたらす別の会社を設立できないようにする必要があると述べた。また、養鶏場と肥料工場の運営を許認可制とするための法律を制定する必要があるとも指摘した。「DENRは、住民の健康に非常に懸念を抱いています。また違法操業を続ける工場らが、自らの利益のため、水や環境を汚染している状況を憂慮しています。彼らの姿勢は人命軽視的といえるものです」と述べた。

今回の水質汚染の事案においては、ジョホール川のアンモニア濃度は2.75ppmに達した。マレーシア保健省によって設定されたアンモニアの許容値は1.5ppmである。10月27日から3つの浄水場は一時的な閉鎖を余儀なくされ、ジョホールバルの住民180万人が断水を余儀なくされた。その後、この水質汚染の原因がこれらの養鶏場と肥料工場だと特定され、最終的に10月29日の深夜に給水は回復した。

この養鶏場付近では2016年7月にも同様の水質汚染が発生し、DENRは養鶏場の操業者に施設の移転を求めていた。このことから、DENRは今回、この養鶏場を恒久的に閉鎖し、養鶏場の経営者を訴追するようジョホール州当局に求めた。一方で、Hasni氏とジョホール州獣医サービス局(VSS)のAida Muhid氏は、水質汚染の原因は肥料工場であり、養鶏場は合法だと説明している。「この肥料工場は、ただちに操業を中止しなければなりません。過去にも同様の事案が発生していることから、我々は彼らのいかなる上訴も受け入れるつもりはありません」とHasni氏は話す。2016年の事案では、この肥料工場を原因とするアンモニア汚染により、60万人分の給水に影響が生じた。事件の後、肥料工場の操業者は、州政府に対し、適切な許認可の申請を行い、必要な要件を満たした上で施設を操業していくと約束していたが、結局申請が行われないうちに今回の事案が再度発生したこととなる。Hasni氏によると、同工場が別の場所に移転することはできるが、州の水規制機関は、事業者を起訴する可能性を含め必要な措置を取るべく、準備を進めていくだろうと述べた。

VSSのAida氏はメディアの取材に対し、これらの工場は、鶏糞などの廃棄物や肥料の保管場所を増やし、近隣水源の汚染を防ぐための壁を建設することを予定していたと話した。さらに、「私たちは、最近の雨で、工場近くに貯蔵された肥料が川に流入した可能性があると疑っています」と述べた。この問題については、VSSが引き続き調査を続けている。