米連邦地裁、水道水へのフッ化物添加禁止を求めるNGOらの訴訟でEPAの棄却申し立てを却下

米国では、多くの自治体が虫歯予防のために水道水にフッ化物を添加している。しかし、これが健康面でのリスクをもたらしているとして、NGOらがこのフッ化物添加の禁止をEPAに求める訴訟を起こしているが、被告のEPAはこの提訴を棄却するよう裁判所に申し立てていた。これついてカリフォルニア州北部連邦地方裁判所は2017年12月21日、EPAの棄却申し立てを却下する決定をくだした。これにより、NGOらの訴訟は続行されることが決まった。

経緯

2016年11月22日、Food & Water WatchなどのNGOがEPAに対し、水道水へのフッ化物添加を有害物質規制法(TSCA)section 6(a)(化学物質規制の範囲)にもとづいて禁止することを求める請願を、TSCA section 21(市民による請願)にもとづいておこなった。これに対してEPAは、NGOらの主張するフッ化物の神経毒性の科学的根拠に疑問があることや、この種の請願は本来、EPAがTSCA section 6(b)(リスク評価)のもとで実施しなければならないリスク評価で考慮されるべき使用条件全体を問題にするべきであるにもかかわらずこの請願は請願者らの関心のある特定の用途のみに絞ったものであることなどを理由に、2017年2月17日に請願を拒否する決定をくだし、同年2月27日付の官報でこれを公示した。

NGOらはEPAのこの決定を不服として、2017年4月18日、請願内容に沿った規制を実施するようEPAに求める訴訟を起こした。これに対してEPAは、請願を拒否したのと同様の理由でこの訴訟を棄却するよう裁判所に申し立てた。今回の連邦地裁の決定は、このEPAの申し立てに対するものである。

今後の請願等に影響

カリフォルニア州北部連邦地裁は今回の決定文書[1]のなかで、TSCA section 6(b)はたしかにより広範な使用条件のもとでのリスク評価をEPAに義務づけてはいるが、同法section 6(a)によってEPAは問題のあるただひとつの用途についてアクションを起こすことができることから、NGOらがsection 6(a)にもとづくEPAのアクションを求める請願をsection 21にもとづいておこなうことには正当性があるとの判断を示している。このことは、化学物質規制にかかわる今後のNGOらの請願の動向にも影響をあたえるものと見られている。

[1] 決定文書の原文は以下より閲覧可能である。http://fluoridealert.org/wp-content/uploads/tsca.12-21-17.denies-epa-motion-to-dismiss.pdf

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