英国、2018年水供給(水質)規則でリスクベースのサンプリングと水質分析法を導入

英国で、「2018年水供給(水質)改正規則[1]」が2018年7月11日に施行された。飲料水のリスクベースのサンプリングと水質分析法を導入する。本規則は、「2016年水供給(水質)規則」を改正するもので、人による消費を目的とした水質に関する欧州委員会指令(EU) 2015/1787を原則的に実施する。世界保健機関(WHO)の推奨するリスクベースの飲料用水のサンプリングと水質分析の観点から、EUで運用する原則に足並みを揃えるのを目的としている。改正のポイントは次のとおりである。

(1) 飲料水供給事業者が実施する水質モニタリング計画に対する要求事項を改める。すなわち、人による消費向けの水の特殊なパラメータの観点から、最低サンプリング頻度を次のように定める。

グループAパラメータ a.      大腸菌、大腸菌群、コロニー計数22℃、色、濁度、味、臭気、pH、導電率、残留殺菌剤(あらゆるケース;グループA4)
b.      アンモニアと硝酸塩、亜硝酸塩(クロラミン処理法を使う場合)
c.      アルミニウムと鉄(水処理用の化学物質として使う場合)
d.      マンガン(地表水から取水する場合)
グループBパラメータ グループAに含まれないその他すべてのパラメータ

上記のグループA4とグループBのパラメータに関して、少なくとも次の表に掲げた頻度でモニタリングを実施する。

水供給区域内における
推定人口
グループA4パラメータ;
年あたりの標準サンプル頻度
グループBパラメータ;
年あたりの標準サンプル頻度
100 人未満 2回 1回
100~4,999人 4回 4回
5,000~10,000人 12回  

(5,000~100,000人)

8回

10,000~29,999人 24回
30,000~49,999人 36回
50,000~79,999人 52回

(2) 新たなリスク評価手法を導入する。この手法の基準に合致した場合、飲料水の供給事業者は、水のサンプリングと水質分析のための検査頻度を減らすことができる。

(3) 特定のパラメータの分析法や、すべてのパラメータの性能特性の分析法に関する仕様を定める。

[1] http://www.legislation.gov.uk/uksi/2018/706/pdfs/uksi_20180706_en.pdf

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