米EPA、PFOAとPFOSに汚染された地下水の浄化へ向けた暫定勧告案を公表

米環境保護庁(EPA)は2019年4月25日、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)に汚染された地下水の浄化へ向けた暫定勧告案を公表して同年6月10日までの意見募集を開始した。この暫定勧告案の公表と意見募集は、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS類)による汚染の問題へのEPAの取組をまとめた「PFAS行動計画」のなかの重要な1ステップと位置づけられている。

この暫定勧告案の内容は、EPAが地下水汚染サイトごとの浄化についての決定をくだす際にその出発点となるべきもので、包括的環境対策補償責任法(CERCLA、通称スーパーファンド法)などのもとでの連邦政府の浄化プログラムへの明確で首尾一貫したガイダンスとしての役割を担うことになる。また、この勧告内容は、州政府および先住民部族政府の浄化プログラムや連邦政府のその他の浄化プログラム(具体的には、資源保全回復法(RCRA)のもとで承認された州の是正措置プログラム、連邦施設の浄化プログラムなど)の遂行の指針となるものである。

おもな勧告内容

この暫定勧告案のおもな勧告内容は以下のとおりである。

  • 汚染の程度がさらなる調査を必要とするほどのものかを見きわめるためのスクリーニング・レベルを設定し、それによるスクリーニングを実施すること。
  • 飲料水の水源になっているか、または将来なる可能性のある地下水がPFOAおよびPFOSに汚染されている場合に、サイトごとの浄化レベルを知るための暫定修復目標(PRG)を設定すること。PFGは浄化の初期目標であって、サイトごとに、さらなる情報が得られしだい調整することができる。

なお、この暫定勧告案は以下のURLで読むことができる。
https://www.epa.gov/sites/production/files/2019-04/documents/draft_interim_recommendations_for_addressing_groundwater_contaminated_with_pfoa_and_pfos_public_comment_draft_4-24-19.508post.pdf

また、PFAS行動計画は以下のURLで読むことができる。
https://www.epa.gov/sites/production/files/2019-02/documents/pfas_action_plan_021319_508compliant_1.pdf

タグ「」の記事:

2020年7月9日
米カリフォルニア州政府、飲料水中のマイクロプラスチックの定義を発表
2020年7月9日
米EPA、飲料水中の過塩素酸塩を規制しない方針を最終決定
2020年4月14日
米EPA、プラスチック関連データ不足としてハワイ州不適合水域リストへの承認撤回
2020年3月24日
米EPA、飲料水中のPFOAとPFOSの規制を予備決定
2019年8月23日
JD Power、老朽化したインフラ対策への取組みが水道事業者の顧客満足度の改善につながると発表