中国住宅建設部、「海綿都市建設評価標準」を公布し海綿都市の建設における具体的な評価内容や評価方法などについて規定

中国住宅都市農村建設部は、2019年4月10日、「海綿都市建設評価標準」(GB/T 51345-2018、以下「標準」)を公布し、2019年8月1日より施行する。「標準」は中国の強制国家標準(GB)であり、海綿都市の建設における具体的な評価内容や評価方法などについて規定している。海綿都市とは、流れる雨水をスポンジのように「吸収・貯水・浸透・浄化」し、地下水を補給しながら水の循環を調節する仕組みのある都市を指す。

「標準」の主な内容は、下記のとおり。

適用範囲と評価対象

本「標準」は、海綿都市の建設における効果の評価に適用される。また、海綿都市の建設にあたり、「標準」に従うのみならず、その他の関係する国家標準にも従わなければならないと規定している。評価対象については都市の市街化区域(中国語:建成区)となり、市街化区域における排出源での排出削減プログラム、または排水分区と市街化区域の全体的な海綿効果を評価するとなっている。

海綿都市における建設効果の評価原則および評価結果

プロジェクト実施の効果は排水分区により評価を実施される。排水分区を統計単位とし、「標準」の要求に達成した市街化区域が市街化区域の総面積に占める割合を評価結果とする。

評価内容

「標準」では、次の7つの項目が評価されることになっている。

  1. 雨水の総表面流出流量の制御率、およびその表面流出体積の制御:新築区と改築区ではそれぞれ規定される表面流出流量の最低限値より低くてはいけない。
  2. 排出源における排出削減プログラムの実施の有効性:表面流出汚染の制御、表面流出ピーク流量の制御および表面流出体積の制御などの項目について標準値を達成すること。
  3. 路面浸水の制御、および冠水の防止。
  4. 都市水系の環境質:黒臭水を解消し、指定された水質の標準値を達成すること。
  5. 自然生態系構造の管理、および都市水系の生態海岸線(川岸線)の保護。
  6. 地下水深度の変化傾向:地下水位の下降を止めること。
  7. 都市のヒートアイランド現象の緩和:夏の温度(6月~9月)が過去の同じ時期と比べ下がっていること。

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