中国、環境汚染第三者対策の推進に関する意見を公表 – 環境汚染対策事業への民間資本の投資を呼び込む

中国国務院は、2014年12月27日付けで“環境汚染第三者対策の推進に関する意見(关于推行环境污染第三方治理的意见)”を策定した。「環境汚染第三者対策」とは、汚染者が有償の形で、環境サービス業社に汚染対策事業を委託するという新しい方式であり、政府は、汚染対策モデルを改革、刷新するとともに、民間資本の投資を呼び込み、環境サービス業の発展させることを目的としている。

「環境汚染第三者対策」は汚染対策施設の建設と運営をより専門的に、また産業として発展させるための鍵であり、環境サービス業界を発展させるための重要な試金石でもある。同「意見」は、環境インフラ(排水処理施設や廃棄物処理施設など)・工業団地などを重点分野として定めており、市場活性化・専門化・産業化を推し進めるために、より整備された市場および政策環境をつくり、政府の管理体系・サービスを改善し、第三者汚染対策市場を適切に発展させることで、国全体の汚染対策レベルを向上させる方針を打ち出している。

 

発展目標

同「意見」は、2020年を目処に、次の目標を定めている。

「2020年までに、環境インフラ、工業団地などの重点領域における第三者対策を著しく発展させるとともに、汚染対策効率と専門性を大きく向上させ、民間資本の汚染対策市場への投資意欲を喚起する。また、環境インフラにおける投資運営体制が確立され、高効率、良質かつ持続可能な環境公共サービスにおける市場化供給システムが形成される。第三者汚染対策業界が成熟し、高い技術、運用管理能力および信頼性をもつ、国際競争力のある環境サービス企業が多数輩出される」

 

主な方針

同「意見」は、以下の方針を打ち出している。

1、環境インフラへの投資および運営事業市場化の推進:
都市排水やごみ処理関連の環境インフラにおいて、特許経営、委託経営等の方式で民間資本を導入するとともに、資産賃貸・資産証券化などの方法で既存資産を活用する。汚染地場対策と地域環境対策のために、環境パフォーマンスに応じた契約方法を採用して第三者対策を導入する。同時に、実施案の評価・論証を強化して、審査・許可方式を改善するとともに手続きの簡素化を推進する。公益性および経営面を考慮して価格調整メカニズムを健全なものとし、合理的な収益レベルを定め、投資リターンメカニズムと公共環境利益保証メカニズムを適当に発展させる。

2、企業第三者対策メカニズムの改革、促進:
工業団地等の重点業界に対して、積極的に第三者汚染対策という新たな事業モデルを育成する。条件が整った地域・業界を選定し、期間を限定して第三者汚染対策を実施することを模索する。双方の責任を明確にするとともに協力関係を規範化して、契約履行における保障と監督管理メカニズムを構築し、双方の合法権益を保障する。

3、市場の発展
市場規模の拡大、イノベーションの加速、業界の発展、市場秩序の規範化、監督管理システムの健全化などにより、第三者汚染対策の実施に適した良好な市場環境を作る。第三者対策企業の技術、サービス、ビジネスモデルのイノベーションを推し進める。環境サービス企業の信用情報アーカイブと信用累積制度の構築、参入許可―運営―退出までの全過程管理を行う。

上述の“環境汚染第三者対策の推進に関する意見(关于推行环境污染第三方治理的意见)”は、以下のURLよりダウンロードできる(中国語:簡体字)。
http://www.gov.cn/zhengce/content/2015-01/14/content_9392.htm

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