チリと韓国、水資源管理の協力体制構築のためのMoUを締結――淡水化に関する情報交換や技術アドバイスなどが対象に

チリの公共事業省・水資源一般局および韓国・国土交通省は、2016年3月29日、水資源に関する円滑な協力体制立ち上げの為の了解覚書(MoU)を締結した。両国の互恵の為に、水資源分野での政策、法規、システム、科学技術、開発案件、運営、管理などに関する情報や経験の交換及び協力体制強化を目的とするもので、チリの水事業一般局長は、韓国の水資源管理や水事業関連の技術からは学ぶべきものが多いとして、韓国政府のMoU締結合意に対する謝辞を述べた。また、両国の技術交換だけでなく、お互いの文化を知ることにより交流が生まれ、親交が深まることを期待するとも述べている。

一方韓国の水政策局長は、チリと韓国は遠い距離にあるが、水に関する情報や、技術の交換及び人材教育の妨げにはならないはずであり、このMoUは、近々予定されている韓国の国土交通省大臣のチリ訪問により、正式なものになると述べている。

主な協力分野は、水資源の効率使用に向けた政策策定や、IT・通信技術を利用した水資源管理の為の総合的な情報プラットフォーム設計などとなる。また、特に海水利用や淡水化などの革新的な技術の開発及び運営、管理や、地下水や地表水モニタリングによる吸水管理なども対象となる

具体的な活動は、技術開発と提供、技術コンサルティング、教育の為の相互人材派遣、韓国への技術訪問、セミナーやシンポジウム開催、プロジェクトやその他の活動の共同開発と立ち上げとなる。またMoUでは、両国の民間企業や、水資源に関する調査研究機関の代表者からなる、水資源合同委員会の設立も合意されている。

なお、チリ外務省の国際経済関係局調査課の報告書によれば、チリと韓国の通商は、2004年から2014年まで毎年平均10%増加しており、チリにとって韓国は第6位の通商相手国となっている。チリから韓国への主な輸出品目は、銅、酸化モリブデン、パルプ、木材で、韓国からチリへの主な輸入品目は、自動車、ポリエチレン、セメント用クリンカー、携帯電話機となっている。

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