インド南西部のパラッカドでPepsiCoの水過剰採取が問題に

インドでCoca-Cola社が水の過剰採取のために工場閉鎖に追い込まれた*1のは記憶に新しいが、こんどは同国南西部ケーララ州パラッカド県のある村で、飲料メーカーの多国籍巨大企業PepsiCoが住民の怒りを買っている。この地域の深刻な水不足を背景に、パラッカド県プドゥッセリー村の村議会が2016年5月上旬、村内にあるPepsiCo India社の工場に対し、水事情が改善するまでの数ヵ月のあいだ操業を停止するよう求める通告をおこなった。その後、数日たってもPepsiCo社から返答がなかったため、同村議会は5月10日に会合をひらいて同社工場の地下水過剰採取に関する決議を可決した。「この決議は満場一致で可決され、われわれは、PepsiCo社に対して水の過剰採取をやめるよう求める通告を改めておこなうことにした」とプドゥッセリー村のK Unnikrishnan村長は述べた。

だが、PepsiCo India社は、理由開示通告を何ら受け取っていないとしており、同社の広報担当者はこう述べている。「われわれは1日あたり60万リットルの採取という高等裁判所のガイドラインを今後も尊重していく。PepsiCoは法に従う企業市民であり、どこで操業しようと該当するすべての法規を遵守する」

過去にも同様の問題

この種の事案は、これが初めてではない。PepsiCo社による水過剰採取の問題は何年か前にも起こっている。これについて、ケーララ州地下水局地方事務所の幹部はこう述べている。「そのときは、州政府が設置した専門委員会が調査の上、採取量を1日最大234000リットルに抑えることを勧告したが、当時からPepsiCo社は1日に60万リットルを採取していた。同社は委員会の決定に異議を申し立て、高等裁判所は会社側に有利な裁定をくだした」

*1 EWBJ54号に関連記事あり「インド、タミル・ナードゥ州が水源保全のためコカコーラ社の製造工場建設予定地の借地契約を解消――50億ルピーの製造工場計画は白紙に戻る