メキシコのバハカリフォルニア州議会、上下水サービスの民営化につながる水に関する州法を承認

メキシコのバハカリフォルニア州議会は2016年12月20日、州総督が提案していた、水の民営化につながる州法を承認した。承認された州法では、上下水インフラ工事や、処理された汚水の利用、上下水サービス事業の管理、運営、メンテナンスに民間資本が参加出来るようになることで、これらのサービスの民営化につながり、水道料金上昇や、90日以上の水道料金未払い使用者へのサービス停止につながると、反対派は主張していた。

新しい州法では、公共サービスを改善、拡大、効率化する名目で、PPPによるコンセッションで運営する可能性が想定されている。またこのコンセッションは、投資を回収して、リーズナブルな利益が得られるようになるまで、最初に決められた期間を最高30年まで延長出来ることが規定されている。

またこの州法では、規制局の水サービス規則と違って、水道料金支払いが遅滞している使用者へのサービス削減や停止が規定されており、これは国際条約や憲法に違反すると、反対派は主張している。さらに、水道料金の20%アップが来年から適用され、料金は、インフレや課税単位、変動及び固定コスト見積もりを勘案して、サービス業者が、国会の承認を得る必要なく毎年独自に設定できることも規定されている。これにより、例えばメキシカリ地区の場合の家庭用の水道最低料金は、M3あたり都市部では51.6ペソ、農村部では49.9ペソなのが、66ペソ、63.8ペソにそれぞれ上昇することになる。またティフアナ地区では、M3あたり59.1ペソなのが99.50ペソに、エンセナダ地区では都市部が32.2ペソ、農村部が67.93ペソなのが、それぞれ67.93ペソ及び40.7ペソに、テカテ地区では、54.7ペソなのが99ペソに、ロサリート地区では81.2ペソから99ペソに上昇する。
(1メキシコペソ≒5.5円)

なおバハカリフォルニア州は、降水量の少ない乾燥した地域であり、民間の参加により住民に必要な質の良い飲料水の確保も期待されている

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