中国環境保護部、「船舶水汚染防止技術政策」を発表

2018年1月12日、中国環境保護部は、「船舶水汚染防止技術政策[1]」を発表した。ここ数年間に公布された水質汚染防止関連の法規では、船舶による水質汚染の防止が強調されていた。環境保護部によると、「船舶水汚染物質排出基準」などの強制的な排出基準と指針となる技術政策を組み合わせて関連業務に対する指導を実施し、船舶の水質汚染防止における基本方針や技術ロードマップを明確に打ち出すため、今回の技術政策が制定された。

同政策は、中国の領域および中国が管轄する他の海域での船舶の運営において発生する含油廃水、生活汚水、毒液物質を含む汚水、船舶ゴミによる汚染防止に適用される。なお、船舶の洗浄水、船舶ゴミ以外の他の固形廃棄物、大気汚染物質、騒音の汚染(公害)防止には適用されない。

環境保護部によると、同政策は以下の5つの内容に分けられる。

  1. 全過程での汚染防止
    汚染発生源での予防から、船舶上での処理、再利用、収集、中継輸送、岸での受取りや処理に至るまでの各段階における規制要求、汚染防止技術、管理監督措置について説明している。
  2. 世界の関連要求との一致を図る
    世界の関連要求に合わせて、水汚染物質の排出基準を引き上げるとともに、マルポール条約との調和を図るため、毒液物質を含む汚水の沿海地域での排出規制要求について規定し、船舶ゴミの分類や規制要求を更新した。
  3. 内陸河川の水質改善を強化
    内陸河川に生活汚水を排出する船舶については、全窒素や全リンに対する非常に厳しい規制値要求が課せられる。同規制値要求は、マルポール条約におけるバルト海での特殊排出規制要求に相当する。
  4. 岸での汚染対策や関連施設建設の推進
    港、埠頭、荷役場、船舶修理・製造工場の所在地となる市、県級人民政府が船舶汚染物質、廃棄物の受取り、中継輸送、処理施設の建設における責任を負うと規定した。
  5. 船舶の環境監督管理の強化
    移動汚染源である船舶の汚染防止に対して、全過程で情報化された監督管理を実施する。

[1] 以下よりダウンロード可能。
http://www.mep.gov.cn/gkml/hbb/bgg/201801/t20180116_429800.htm

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