中国水利部、「新時代水利の近代化推進加速に関する指導意見」を発表

中国水利部は、2018年2月11日、「新時代水利の近代化推進加速に関する指導意見」を発表した。同意見では、新時代水利の近代化における以下の戦略的目標が打ち出されている。

スケジュール 目標
~2020年
  • 全国の年間給水総量を6700億m3以内に抑える。1万元GDP当たりの水使用量、1万元工業付加価値当たりの水使用量をそれぞれ2015年比で23%、20%削減する。
  • 全国の重要河川・湖・沼の水機能区における水質基準到達率を80%以上にまで引き上げる。
  • 水利権市場の改革で重要な進展を果たし、法規体系の整備を図り、水利関連の革新力を顕著に向上させる。
2020~
2035年
  • 全国の年間給水総量を7000億m3以内に抑える。工業用水のリサイクル率や、都市公共給水管網の漏水率を世界先進レベルにまで引き上げる。
  • 全国の重要河川・湖・沼の水機能区すべてにおいて水質基準を達成し、飲用水源水質の基準到達率を100%にまで引き上げる。
  • 近代的な水利インフラの基本的な構築を目指す。
2035~
2050年
  • 2050年までに、全面的な水利の近代化や、水の安全保障能力の全面的な引き上げを達成する。
  • 近代的な水利インフラ網の全面的な構築、世界トップレベルの水資源利用効率、水管理における近代化を実現する。

また同意見によると、目標達成のため、今後、以下の重要措置に取り組んでいく。

  1. 国を挙げた節水活動の実施。節水制度を整備し、節水を奨励する枠組みを構築する。
  2. 水利インフラにおける近代化の推進加速。重要な水利工事の建設を中心にして、大小様々な水利工事を互いに結び合わせるとともに、水利施設の高度化を図り。近代的な水利インフラ網を構築する。
  3. 農村振興戦略における水利保障の強化。
  4. 水生態系の保護や修復の全面的な推進。節約・保護優先、自然回復を主とするという原則を堅持し、河川や湖の保護における監督の強化を図り、調和の取れた美しい水環境を作り上げる。
  5. 水利改革の全面的な推進。水道料金と水資源税の改革や、水利権市場の改革を推進。
  6. 水利管理における近代化レベルの引き上げ。法に基づく治水管理を強化し、水利プロジェクトの管理方法を刷新して、業界の底上げを図る。
  7. 水利における科学技術の革新促進。世界最先端を目指して、先進的な技術や製品の研究開発を強化し、革新的な人材チームを構築する。
  8. 水利における全面的なスマート化の推進。あらゆる要素を動的に感知する水利監視システムや、水利情報ネットワーク、高度に集積されたビッグデータセンターを構築し、情報化およびスマート化レベルの大幅な引き上げを図る。

なお、「新時代水利の近代化推進加速に関する指導意見」の概要については、以下のURLより閲覧可能である(中国語簡体字)。
http://www.mwr.gov.cn/xw/slyw/201802/t20180213_1031224.html

タグ「, 」の記事:

2020年3月23日
中国水利部、「2020年水土保全業務要点」を発表――生産や建設における水土保全関連法規への違反行為を厳しく処罰し、「ブラックリスト」に加えるなど信用管理を実施
2020年3月5日
中国の水ビジネスとIT技術の応用
2019年12月27日
中国工業情報化部、水利部など、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」を発表――選出の対象や基本的要件、選出手順など規定
2019年12月3日
中国北京市政府、水環境対策3年計画を発表――汚水処理施設の整備などの措置を提示
2019年12月2日
中国生態環境部、「農村黒臭水対策業務ガイドライン(試行)」を発表――農村黒臭水対策モデル事業の展開も規定