マレーシアTop Glove社、水不足による生産ライン停止の対策として自社で水供給インフラを構築

2018年3月19日に現地で報じられたところによると、世界最大のゴム手袋メーカーであるTop Glove社(本社:マレーシア、セランゴール州)が、度々発生する断水などの影響で生産ラインが停止する事態を避けるため、自社で水インフラを構築した。

4億円を投じ浄水施設と貯水池を建設

Top Glove社の創業者であり現在会長を務めるLim Wee Chai氏によると、同社は1500万マレーシアリンギット(約4億円)を投じ、セランゴール州に逆浸透(RO)浄水施設や貯水池を建設したという。同会長はメディアの取材に対して、「我々は、政府による給水に依存することを望んでいません。他に選択肢はありませんでした。これらの施設がなければ、顧客からの注文に対応することができず、長期的には顧客を失うことになりかねません」と答えた。

これらの自前の設備を整備していたことで、同社は、最近クランバレー地区で発生した最長4日間の断水にも影響を受けなかったという。「断水の間も生産ラインが止まることはなく、全てのラインがいつもどおり正常に稼働しました。我々には、自主的に水不足に備えることが必要不可欠なのです」とLim Wee Chai会長は説明する。なお、このクランバレー地区の断水の原因は、スランゴール州の浄水施設Sungai Selangor Phase3で起こった破裂事故に対応する緊急の修理作業であった。

この断水の2ヶ月前から操業を開始していた同社独自の浄水施設は、近隣の2つの工場に十分な量の水を供給した。Top Glove社執行役員Lim Cheong Guan氏は次のようにコメントした。「我々は、水インフラの整備を小さな規模から始め、うまくいけば他の工場にも展開することとしています。我々は最低必要な量の水を自ら得ることができ、政府による給水に全面的に依存する必要はありません。」

Top Glove社は、需要の増加に伴って販売量を伸ばし、2018年2月28日までの第2四半期には過去最高となる1億999万マレーシアリンギット(約30億円)の純利益、および9億5844万マレーシアリンギット(約262億円)の収益を記録している。今後は、事業の戦略的拡大を継続して進めていく方針だという。なお現在同社は、2つの新工場を建設中であり、これらの工場はそれぞれ2018年6月と2019年初めに稼働開始を予定している。これらの工場により、同社の生産ライン数は78本増え、ゴム手袋の年間生産能力は78億枚増加するという。

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