インド・グジャラート州、廃水再利用に関する政策を発表――2030年までに100%再利用を目指す

2018年5月28日、インド・グジャラート州が「処理廃水の再利用に関する政策(Policy for Reuse of Treated Wastewater)[1]」(以下、「本政策」)を導入すると発表した。本政策は、ナルマダー川などの淡水資源への同州の依存度を下げることを主たる目的とし、Vijay Rupani主席大臣およびNitin Patel副主席大臣が発表したもの。

発表されたリリース文書によると、本政策の最終的な目標は以下のとおりである。

  • 全ての町(地方自治体)において、下水の回収率80%以上を達成する
  • 回収された下水の処理率100%を達成(規定の水質基準を遵守することが条件)
  • 地方自治体ごとに政策で定める期限までに、合計の淡水消費量のうち少なくとも25%は処理済み廃水を使用する
  • 2025年までに処理済み廃水の少なくとも70%を再利用する
  • 2030年までに処理済み廃水を100%再利用する

上記の目標を達成するため、州政府は以下の措置を執るとしている。

  • 州内全ての主要な市および町に下水処理プラントを建設し、そこで処理された廃水を非飲用目的(工業部門、火力等熱式発電所、ガーデニング、および建設部門など)で再利用する
  • そのため新たに161か所の下水処理プラントを州内に建設する(現在52か所)。
  • 今後2年間で廃水の処理容量を現在の約2倍の50億リットルにする(現在26億リットル)
  • 下水処理プラントから半径50 km以内にある火力発電所に処理済み廃水の利用を義務づける
  • 下水処理プラントから半径50 km以内にあり、かつ1日あたり10万リットル以上の水を消費する企業または工業団地にも処理済み廃水の利用を義務づける
  • 処理済み廃水の利用を義務づけられた企業は、処理済み廃水の給水ネットワークが確立した時点で、上水道との接続を遮断する。

Rupani首席大臣は、水の再利用は水資源の保全のためであることを強調した。

[1] https://gwssb.gujarat.gov.in/downloads/Policy_Reuse_Of_WasteWaterA.pdf

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