米DOE、太陽熱脱塩技術の高度化に向けて合計2100万ドルを提供

米エネルギー省(DOE:Department of Energy)は2018年6月19日、太陽熱脱塩技術を高度化する新規プロジェクト14件に対して、合計2100万ドル(約23億1603万円)を提供すると発表した。今回補助金対象となるプロジェクトは、太陽熱脱塩技術のコスト削減や、電力系統の未到達地域などの新たな市場における同技術の商用化支援を目的としている。

(出典:米国DOE)

脱塩技術は、海水や半塩水、汚染水を処理し、処理された再生水は地域の水道用水供給や産業水、またはその他の用途に利用される。現在稼働している脱塩施設は、電力系統との接続が必要であることから、電力到達地域での利用に限定されている。そのため、太陽光を集約し熱へ転換する太陽熱発電を小型化及びポータブル化し、これを脱塩施設に統合することで、電力系統の未到達地域での利用が期待される。このような太陽熱脱塩技術は主に、以下の4つの分野(新規市場)にて潜在利用があると見られている。

  • 地域の水道用水供給
  • 農業用途
  • 工業プロセス
  • 石油・ガス採掘などの資源開発から生ずる廃水処理

今回補助金対象となるプロジェクトは主に、石油・ガス採掘から生ずる廃水(塩水)などの少量で高塩分水を処理する小規模プラントと、海水淡水化などの大量の低塩分水を処理する大規模プラントとが含まれている。小規模プラントの場合は均等化原価(LCOW:Levelized cost of water)を1m3当たり1.5ドル(約165円)、大規模プラントの均等化原価は同0.5ドル(約55円)への低減を目指す。

今回エネルギー省に選定された各プロジェクトの実施期間は最大3年であり、実施コストの20~50%を主体事業者が負担することで(官民とのコスト共有型)、連邦政府による研究開発への投資回収を最大限に行う。全プロジェクト実施に向けた官民投資額は合計で約3000万ドル(約33億861万円)に達する。エネルギー省に選定された14件に上るプロジェクトの主体事業者と補助金付与額は以下のとおりである。

 

事業者 補助金額
Advanced Cooling Technologies(ペンシルバニア州ランカスター) 150万ドル
コロンビア大学(ニューヨーク州ニューヨーク) 100万ドル
Fraunhofer USA Center for Energy Innovation(コネチカット州ストーズ) 80万ドル
GreenBlu(ニュージャージ州ハミルトン) 160万ドル
ローレンスバークレー国立研究所(カリフォルニア州バークレー) 80万ドル
Natural Energy Laboratory of Hawaii Authority(ハワイ州カイルア・コナ) 200万ドル
オレゴン州立大学(オレゴン州ベンド) 200万ドル
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(カリフォルニア州ロサンゼルス) 200万ドル
カリフォルニア大学マーセド校(カリフォルニア州マーセド) 110万ドル
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(イリノイ州アーバナ) 160万ドル
ノースダコタ大学(ノースダコタ州グランドフォークス) 200万ドル
ライス大学(テキサス州ヒューストン) 170万ドル
SkyFuel(コロラド州レイクウッド) 160万ドル
Sunvapor(カリフォルニア州リバモア) 150万ドル

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