インドDST、海水淡水化国家目標を実現するプロバイダを募集

インド・科学技術省科学技術局(Department of Science and Technology, Ministry of Science and Technology:DST)は2018年6月5日、2017年に同局が提案した「海水淡水化国家目標(NMD:National Mission on Desalination)」の実現に向けて、対象となる全ての開発・商業化段階にある海水淡水化技術を特定するとともに、国内外の海水淡水化技術・ソリューションプロバイダの参加募集を開始した。

DSTは2017年、国内の持続可能な開発を主目的とした政策の策定を責務とするインド行政委員会(NITI Aayog:National Institute for Transforming India)の命令を受けて、関連省庁とのパートナーシップを通じて、「海水淡水化国家目標(NMD)」を策定した。NMDは、国内の水安全保障を確保するとともに、水不足の地域にクリーン且つ安全な飲用水の供給を目的としている。これを具現化する手段として、インドの海岸沿いの州内にて持続可能な水供給を行うため、海水淡水化技術を導入することを掲げている。DSTは、既に開発済みで商業化されている技術、開発されているものの未商業化の技術、今後5年間以内に開発される可能性が高い技術といった、様々な開発・商業化段階にある全ての技術を抽出し、NMDを実現するインド国内外の海水淡水化技術・ソリューションプロバイダを参画させることを提案した。その第一段階として、NMDに則り、海水や半塩水等を、家庭用水・農業用水・産業用水など様々な用途へ利用転換する多様な技術を提供する海水淡水化技術・ソリューションプロバイダをインド国内外から特定することを計画している。

海水淡水化技術・ソリューションプロバイダを募集するにあたり、州政府、都市部の地方自治体や他の機関は共同で、技術ソリューション概要(Compendium of Technological Solutions)を作成する予定である。同概要は、海水、食塩水や半塩水を淡水へと転換し、家庭用水や農工業用水として安全利用できる最適な技術を選定、利用する上で役立てられる。その後、中央政府や州政府、地方自治体が、特定の社会的・経済的要因を踏まえた最適な技術を選択(決定)する上で、海水淡水化技術に関する情報を集約した情報バンクや淡水化装置の運用実績が活用される。これらのノウハウは、NMDの活動を支援する機会を、参画する技術・ソリューションプロバイダに対して提供する。

参画を希望するプロバイダは同年8月31日までに、オンライン質問票[1]を通じて必要情報を入力、DSTへ提出することが義務付けられている。また買収要項への質問はdesalinationmission@gmail.comへ送付することができる。参画希望のプロバイダは、関連書類と技術コンポーネントや運用システムの画像とともにデジタルファイルの写しを同電子メールにて提出することも可能である。これらの書類や画像を、DST技術目標室(Technology Mission Division)に所属するサイエンティストNeelima Alam博士へ郵送することもできる。


図 海水淡水化技術・ソリューションプロバイダへのオンライン質問票の画面

[1] オンライン質問票のURLは以下の通り。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSec0FNqjBQDOHTspnokDmMcVg3zddZL2Zl6WFbzZq5cRZYTnA/viewform

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