スウェーデン環境・エネルギー省、下水汚泥の農地への散布禁止と汚泥中のリン再利用に向けた調査委員会を発足

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スウェーデン環境・エネルギー省(Ministry of Environment and Energy)は2018年7月13日、下水汚泥の農地への散布禁止、及び汚泥に含まれるリンの再利用に向けた規制案を新たに策定する調査委員会を発足させたと発表した。スウェーデン政府は、無害な資源の効率利用を図る循環型経済の構築に取り組んでおり、その一環として下水汚泥の散布を禁止するとともに汚泥中のリンの再利用を促す。

下水汚泥には作物の重要な栄養素となるリンが大量に含有されていることから、農業肥料として活用されることが多い。一方でリンは、下水処理施設にて大量に除去される廃棄物でもある。下水汚泥には環境や人体へ有害となる物質が含まれていることから、農地に散布できる下水汚泥は全体の30%程度である。残りは、土壌生成や埋戻し土などに活用され、下水汚泥に含まれる栄養分は利用されていないのが現状である。スウェーデン政府は、廃棄物を資源として再利用する循環型経済の構築を目指しており、今回設立された調査委員会は、無害且つ安全な手法で下水汚泥からリンを回収し、農業用途としての再利用を更に促すことを目的としている。環境・エネルギー省Karolina Skog大臣は、「我々は責任を持って資源を活用することが重要である。付加価値を有する資源であるリンを活用する上で、利用可能な技術を最大限に利用するべきである」と述べた。無機質肥料の重要なコンポーネントであるリンは、現時点で海外諸国にて採掘され、スウェーデンへ輸出されている。下水汚泥に含まれているリンを最大限に活用することで、国内の自給自足を促す。なお、スウェーデンでの下水処理場から発生する汚泥の量および農業利用率の推移は以下の通りである。


図 スウェーデンでの下水処理場から発生する汚泥の量および農業利用率の推移
(出典:Statistics Sweden)

調査委員会では、下水汚泥に含有されているリンを再回収する規制案の提案が見込まれている。一方で、下水汚泥には医薬品残留物やマイクロプラスチックなどの環境や人体の健康に有害とされる物質が含まれていることから、農地への下水汚泥の散布を禁止することが提案されると見られている。Skog大臣は、「複数の調査結果によると、下水汚泥には、環境や人体に有害となる金属に加えて、一部のマイクロプラスチックが含有されている。下水汚泥を農業肥料として活用することを禁止することで、マイクロプラスチックが作物の生育環境に入り込むリスクを低減する」と述べた。下水汚泥の農地散布の禁止は、バイオガス生産の妨げとならないよう、汚泥からリンのみならずエネルギーも環境や人体へ悪影響を及ぼさずに抽出できるようにするという。調査委員会の総括責任者として、Västernorrland県知事や防護資材局(Defence Materiel Administration)長官を過去に努めたGunnar Holmgren氏が任命された。同氏は経済博士号を有し、広範囲に亘る政府委員会の一員を務めた実績を有する。

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