英Modern Water、アフリカへの自社技術の販売に向けてWEC Projectsとパートナー締結

本稿はエンヴィックス「水ビジネス・ジャーナル」の無料サンプル記事です。
季刊レポート(年4回)の配信につき1件程度公開しています。
水ビジネス・ジャーナルをご契約いただくと、2,471件(2018年12月現在)の記事の閲覧・各種検索機能をご利用いただけます。
» サービス案内・ご購読はこちら

英国に本社を構える膜技術排水処理ベンダであるModern Waterは2018年10 月18日、同社が特許を有するAMBC(All-Membrane Brine Concentration)技術をアフリカへ販売促進するため、南アフリカの大手EPC企業WEC Projectsとパートナー締結したと発表した。WEC Projectsは南アフリカのヨハネスバーグに本社を構え、アフリカ大陸全土を活動拠点としている。

ブライン(濃縮塩水)は数多くの産  業用途の副産物として生成され、それにより形成された塩は腐食性があること、また希薄された化学物質は有害性を有していることを理由として、深刻な環境被害を引き起こす要因となりうる。このような汚染されたブラインを処理するためには、機械的な水蒸気再圧縮や蒸気を活用した晶析装置やブライン濃縮器などの蒸発プロセスが必要となる。排水の再利用からZLD(Zero Liquid Discharge)に至る従来のブライン処理過程は一般的に複雑で、複数のステップを踏む必要があるため高額となり、結果として導入企業に大幅なコスト増加をもたらす。しかし、Modern WaterのAMBC技術は、従来の膜技術と比較して塩水濃縮率が高いことから、後処理となる晶析装置を介した処理にて必要となる排水量を大幅に削減することができる。


図 各種処理技術のエネルギー消費量と総溶解固形物の関係
(出典:Modern Water発表資料[1]

Modern WaterのCEOを務めるSimon Humphrey氏は、「WEC Projectsは、南アフリカにて業界をリードする請負事業者(EPC企業)である。インドのパートナー企業Advent Envirocare、中国のパートナー企業Sunupに加えて、我々が所有するAMBC技術を販売促進する卓越したパートナーとして、WEC Projectsに巡り会えたことを嬉しく思う。AMBCは性能面でこれまでの処理過程を変革させる技術であり、顧客の運用コストを大幅に削減し、結果としてプラントの全体運用コストを低減する重要な技術である」と述べた。一方、WEC ProjectsのCEOを務めるWayne Taljaard氏は、「Modern Waterが特許を保有するブライン濃縮器は排水処理に必要となる要件を緩和させるとともに、鉱業、電力、石油・ガス、海水淡水化など、多様な産業用途において排水の再生水を最大限に活用する。南アフリカは水不足が深刻化しており、排水処理規制が厳格化されつつある。同地域は、これらの排水処理規制が適用対象となる様々な産業セクタの中心地である」と述べた。

Modern Waterは、膜排水処理ソリューションや高度モニタリング製品の販売に特化した革新的な技術ベンダである。同社は世界各国で多様な産業顧客向けに様々な用途で適用される特許技術を所有している。同社のモニタリング部門は、毒性や微量金属を測定する世界で先駆的な製品ポートフォリオを抱えている。これらの製品の一部は、規制基準を遵守している。また同社膜部門の主要技術であるAMBC技術は、従来の過程と比較して低コストで複雑な排水処理を簡素化すると同時に、運用し易いといった利点がある。

EnviXコメント

Modern Waterが新たに南アフリカの企業と事業提携を結んだ。Modern Waterは「膜事業」と「モニタリング事業」の2つの事業部門から構成されているが、前者の膜事業においてはこれまでも海外に進出する際に現地企業と提携してきており、インドではAdvent Envirocare社[2]と、中国ではSunup社[3]がパートナー企業である。今回の発表は、これら2か国での動向に続くものである。Modern Waterの膜事業は、自社の有する技術ライセンスを現地企業に販売するというビジネスモデルだが、適切な現地パートナー企業を選定することで、各国での実績を積み重ねている段階である。いまだに膜事業部門は赤字のようであるが、2017年の決算に関する投資家向け資料[4]では、2018年に損益分岐点を超えることが予想され、着実な市場開拓が進んでいるものと見込まれる。

[1] https://www.modernwater.com/pdf/Mello%202018%20Conference%20presentation%20-%20Modern%20Water%20Plc.pdf

[2] EWBJ58号に関連記事あり「Modern Water、インドにおける廃水処理のブライン濃縮でAdvent Envirocareと共同商業化契約を締結――ZLD市場の拡大を見越した動き

[3] EWBJ68号に関連記事あり「Modern Water、中国杭州のSunupと正浸透技術の応用で提携――中国・廃水処理市場での拡大を狙う

[4] https://www.modernwater.com/pdf/Mello%202018%20Conference%20presentation%20-%20Modern%20Water%20Plc.pdf

本稿は、国内唯一の水ビジネス情報専門サービス「水ビジネス・ジャーナル」の無料サンプル記事です。
本WEBサイトでは、国・地域別企業別記事テーマ等の充実した分類から、水ビジネス情報をお探しいただけます(一部のサンプル記事を除き、記事閲覧は要契約・有料です)。是非とも採用をご検討ください。

» サンプル記事一覧
» 水ビジネス・ジャーナルについて
» 個別委託調査

タグ「, 」の記事:

2018年11月8日
液体を使って液体を濾過する技術――ハーバード大が開発
2018年10月24日
オランダのRoyal HaskoningDHV、Nereda廃水処理技術で中国に進出
2018年9月27日
Modern Water、中国杭州のSunupと正浸透技術の応用で提携――中国・廃水処理市場での拡大を狙う
2018年9月27日
Ovivo、SiC膜技術でCembraneと提携
2018年9月25日
Grundfos、AIベースの診断技術のAuguryと提携