米EPA、全米の水インフラ改善に26億ドル出資

米環境保護庁(EPA)は2019年5月8日、全米の上下水道インフラの改善に州政府、先住民部族政府、および海外領土政府が利用できる州整備リボルビング基金(SRF)として26億ドル(約2800億円)を用意していることを明らかにした。SRFは連邦政府が州等のインフラ・プロジェクトなどに出資する基金で、この融資をうける州等は、プロジェクトに応分の負担をするとともに、元金の返済と利息の支払いを求められる。これまで30年余りにわたって、およそ800億ドル(約8兆7000億円)がこうしたプロジェクトに投じられてきた。EPAの推計によると、全米の上下水道インフラの改善には7430億ドル(約812000億円)が必要だとされている。

今回公表された26億ドルの内訳は以下のとおりである。

州上水道整備リボルビング基金に10億ドル

26億ドルのうち10億ドル(約1100億円)は、州上水道整備リボルビング基金(DWSRF)に充てられる。この資金は、上水道事業者がペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS類)などの汚染物質に対処したり、鉛の水道管を交換して配水網を改善したりするのに使うことができる。これに加えて、先住民部族政府、海外領土政府、およびコロンビア特別区の上水道システムの改善のために、DWSRFのなかから5000万ドル(約55億円)以上が用意されている。

州水質浄化リボルビング基金に16億ドル

州水質浄化リボルビング基金(CWSRF)には16億ドル(約1700億円)が充てられている。この資金は、老朽化した下水インフラの近代化、水の再利用やリサイクルの実施、雨水対策など、広範な水インフラ・プロジェクトに使うことができる。また、先住民部族政府、特定の海外領土政府、およびコロンビア特別区の水インフラ・プロジェクトのために、CWSRFのなかから6400万ドル(約70億円)以上が用意されている。

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