第47号(2013年8月発行) – シェールガス開発手法、水圧破砕法(フラクチャリング)

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EnviX「水ビジネス・ジャーナル」47号(2013年8月発行)の目次と主要トピックをお伝えします。

はじめに

エネルギー問題は世界中のほぼ全ての人間にとって非常に重要なトピックですが、そのエネルギー分野においていま最も注目を集めているもののひとつが「シェールガス」です。これは、近年の技術発展によりその採掘コストが低下したため、生産量が今後飛躍的に伸びると見込まれているからであり、特にその生産に力が注がれているのは米国においてです。米国エネルギー情報局(EIA)の発表によると、2040年の米国におけるシェールガス生産量は2011年の2倍以上になり、天然ガス総生産量の半分をシェールガスが占めると予測されています。このようなシェールガス生産量の増加は、エネルギー資源の流れやエネルギー価格を左右するため、様々な経済的な影響を与えるものと予想されています。

201308001_1
米国における天然ガス生産量の2040年までの予測
出典:EIA Annual Energy Outlook 2013*1, Figure91

一方で、もうひとつの大きな影響として環境とりわけ水資源への懸念が挙げられています。シェールガス開発手法として使用される「水圧破砕法(フラクチャリング)」は、大量の水に化学物質などを混ぜ合わせ、それをシェール層に圧入することで割れ目を拡大し、シェールガスを得るものです。これには様々な問題が付随していますが、特に大量の水を使用することによる周辺の水不足がそのひとつです。

環境NGOのCeres(セリーズ)が2013年5月に発表した報告書*2は、フラクチャリングにより米国内で深刻な水不足が今後起こると警鐘を鳴らしており、特にテキサス州とコロラド州が顕著であるとのことです。このため、そういった地域における水の再利用、淡水源以外の利用、効率的な水資源管理がこれからの課題だと述べられています。そして、こういった分野での需要拡大を見越すことで、水ビジネスとしての可能性を見出すことができます。また水不足だけでなく、シェールガス掘削にともなう廃水処理ビジネスも確実に拡大するでしょう。

今回のEWBJ47号には、シェールガス関連の話題として以下のものがあります。企業の動向や、フラクチャリングに関する規制、技術開発プロジェクトに関するものです。是非ご覧ください。

また、47号の特集は2つとなっており、それぞれ水道インフラ運営に関する最近の動向を紹介するものです。一方は途上国を対象に、もう一方では米国を取り上げております。特に後者は最新の事例をもとに民間資金の調達に焦点を当てております。

中国水市場コラムでは、国内の海水淡水化市場にスポットを当て、その関連政策や主要中国企業の概要、そして中国国内の問題点をまとめております。

*1 http://www.eia.gov/forecasts/aeo/pdf/0383(2013).pdf*2 http://www.ceres.org/issues/water/hydraulic-fracturing-water-stress/hydraulic-fracturing-water-stress

巻頭トピック

  • 南アのAECI、水処理用化学薬品の売上が急増――サハラ以南の需要が後押し
  • 韓国Woongjin Chemical、米Porifera社に100万ドルを投資しFO膜の商用化へ
  • Ecolab傘下のNalco、インドの複数の水企業を買収へ
  • ドイツGWPが設立5周年――ドイツ企業の世界水市場進出に確かな手ごたえ
  • タンザニア、水プロジェクトに中国、インド、イスラエルの企業を誘致

特集

  • 途上国における水セクターPPPプロジェクトの契約と最新動向
  • 米国の自治体における民間資金を活用した新たな資金調達手法の潮流――ニュージャージー州ベイヨンにおける取引を例に

中国水市場コラム

中国海水淡水化事業の発展現状と課題

主要プレーヤーの動向

Veolia

  • Veolia Water(2013年6月~8月の主な動向)
  • Veolia Water、インド・カルナタカ州で3件の新規給水契約を受注
  • Veolia Environment、組織改編を発表
  • ピッツバーグ上下水道公社、Veoliaとの契約を延長
  • Veolia Environment、2013年上半期の決算を発表

Suez

  • Suez Environment(2013年6月~8月の主な動向)
  • ブラジル沖のFPSO向けの水供給システムを受注

GE

  • GE(2013年6月~8月の主な動向)

Siemens

  • Siemens(2013年6月~8月の主な動向)
  • 複数のプライベート・エクイティ・ファンド、Siemens水事業部門の落札を検討

研究開発動向

  • 米国スタンフォード大、合成材料のコアを持つナノスカベンジャーを開発――浄水性能の向上に成功
  • オーストラリアの大学、淡水化プラントの膜ファウリングを事前検知する光ファイバー・センサーを開発
  • 米独の研究チーム、大量のエネルギー消費も膜も必要としない海水淡水化法を発表

注目企業の戦略動向

  • AECOM、USAIDが主導するフィリピンの水関連プロジェクトを受注
  • Aquatech、Fluid Recovery Servicesの買収でシェール・ガス採掘の水管理ネットワークを拡充
  • Axineの化学薬品なしの廃水処理、性能試験完了
  • コノコフィリップス、カタールでFOを用いた廃水処理技術開発のための資金を獲得
  • Dow Chemicalなど、送水管補修のためのパイプ・イン・パイプ技術の営業強化を発表
  • Hyflux、中国における収益が落ち込む――要因は中国市場の鈍化と報告
  • IBMとWaterfundの水原価指標、ウガンダがアフリカで初の採用
  • IDE Technologes、蒸発法による海水淡水化は逆浸透(RO)法によっては淘汰されないとの見解を示す
  • IDE Technologies、オイルサンドの生産水処理向けの技術開発で米Clean Harborsと提携
  • Itron、インドでスマート水道メーター技術の契約を獲得
  • Manila Waterによるインドネシアの水供給会社の株式取得が却下
  • Mapal Green Energy、廃水処理用の浮体式エアレーション・システムを英国で初受注――英国政府による支援が成功要因に
  • Pentair、ブラジルを中心にラテンアメリカ市場での拡大を目指す
  • Pentair、中空糸ナノ濾過の新技術を市場投入
  • RWL Water、アルゼンチンのUnitekを買収へ
  • シンガポールのSembcorp、ノルウェーの水処理技術企業Biowater Technologyに5億円を出資
  • TaKaDu、米国エンジニアリング会社との提携を発表――同社の水道ネットワーク向けソリューションを米国市場に展開へ
  • VA Tech Wabag、インドの低コスト事業モデルの海外展開に意欲
  • Xylem、欧州での脱水事業の強化に向けて独Pollmann Pumpenを300万ドルで買収

地域別の市場・政策・規制動向

国際

  • ISO、水管理を向上させる目的でウォーターフットプリントに係わる新規格を策定中

欧州

  • 欧州議会、地表水の質改善に向け12の優先物質を追加し、監視リストに3薬剤を加える法案を可決
  • 欧州委員会のコンセッション指令から水道事業を除外する判断に民間水道事業者団体が反発
  • EU都市廃水処理指令実施報告書が発表され新旧加盟国の大きな開きが改めて明らかに
  • 欧州委員会、地下水指令で規制されている物質リストの変更に関する意見募集を開始
  • ドイツ、ベトナムとの水事業協力関係を深化拡大――VIETWATER2013も今秋開催

米州

  • 米オハイオ州シンシナティに水技術のグローバルイノベーションハブを設立へ
  • USGS、米国の地下水枯渇に関する報告書を発表――近年のオガララ帯水層の年平均減少量は102億 m3に達することが判明
  • 米EPA、水質取引は水質浄化法と矛盾しないと言明――上院委員会の公聴会
  • 米EPA、5回目となる全米上水インフラ改善のための必要投資額調査報告書を発表――今後20年間で約39兆円が必要と報告
  • 米国イリノイ州がシェールガス開発を安定産業化するための水圧破砕規制法を施行
  • シェールガス開発に伴う生産水の新たな処理技術開発プロジェクトが始動へ
  • 米カリフォルニア州で裁判所が水道水中の六価クロム規制案の8月末までの提出を命令
  • メキシコ工業会議所連合会、水道事業でのPPPの推進を求める声明を発表
  • ペルー、上下水道事業の近代化を促進するための法律を公布
  • チリ環境省、工業排水基準を改正する省令案を公表

アジア

  • IFCによる中国の水企業への投資
  • 中国住宅都市農村建設部、2013年第1四半期の汚水処理施設の建設状況、運営状況を公表
  • 中国環境保護部、工業汚染地における土壌汚染および地下水汚染の修復のための技術センター設立へ
  • 中国での海水淡水化事業における企業動向と関連する制度面での問題
  • 中国で「合成アンモニア工業水質汚染物質排出標準」実施
  • 中国疾病制御センター、8年間の研究を経て水質汚染がガンを誘発する可能性を認める――中国国内メディアが報道
  • 韓国市民ネットワークが、K-Waterのずさんな水関連プロジェクトの運営管理に懸念を表明――タイではK-Waterの工事を監視するための3者委員会設置を提言
  • ベトナム、ホーチミン市の工業団地等で地下水の取水制限・禁止を順次拡大
  • ベトナム、工業廃水による環境汚染が深刻な問題に――急増する工業団地の数と処理設備の未整備が原因か
  • シンガポール、NTU水研究所が新たに3年間で1億3200万SGDの研究資金を獲得
  • PUBと米EPA、長期的な水の持続可能性における研究協力を目的としてMOUを調印

その他

  • インドの国家水枠組法案、都市部の上水道に100%従量制を盛り込む
  • オーストラリア、下水の飲料水利用に対して市民は抵抗感を持つ
  • サウジ、水プロジェクトに向こう10年で660億ドルを投入へ