第49号(2014年2月発行) – デリー・ムンバイ間産業大動脈構想

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EnviX「水ビジネス・ジャーナル」49号(2014年2月発行)の目次と主要トピックをお伝えします。

はじめに

世界中の国・地域で水ビジネスの成長が見込まれていますが、その中でも最も有望な市場のひとつとしてインドが挙げられるでしょう。インドは、現時点での人口は約12億人ですが、国連の推計によると2028年には14億5000万人以上となり中国を抜き世界第一位になると言われております。さらに近年は国内の工業化も進んでおります。日本も支援している「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」は、周辺地域に巨大工業地帯を創出することを目標に900億ドルもの資金が注ぎ込まれる大規模プロジェクトです。これにより工業団地、物流基地、発電所、道路などのインフラ整備が進められ、当該地域における工業生産量が3倍になると見込まれています。このような人口増加と工業化が急速に進むなかで、やはり水資源への需要も同様に高まるものと推測されています。

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図 インドのセクター別の水需要量(2025年と2050年は予測値)
(出典:India’s Water Future to 2025-2050, IWMI

VeoliaやSuezなどの世界的な水企業は、すでにインド市場に入り込んでおります。最近ではVeoliaがカルナタカ州で3件の新規給水契約を受注し[1]、Suezもバンガロールおよびピンプリ・チンチワッドでの水管理契約を受注しております[2]。SuezのCEOであるJean-Louis Chaussade氏は2012年末のメディアのインタビューにて「インドの水コンセッション市場で大きなシェアをつかみたい」と今後のインド水市場への抱負を語っています。

他にも多くの企業がインド市場への進出を画策しております。このEWBJ49号でも以下に示す通り、事業分野は様々ですがインドの水市場を狙う企業が複数挙げられております。

また、ドイツのジャーマン・ウォーター・パートナーシップ(GWP)も2013年10月に「第1回インドGWP合同大会」を開催し、インド市場への積極的な姿勢を見せております[3]。ここでは、GWP会員の製品やサービスをインド側関係者に紹介し、具体的なビジネス・チャンスを狙いました。

市場の脆弱性、中央政府と地方政府のそれぞれが定める規制の違い、水資源に関する紛争など、インド市場には様々な障害があると言われております[4]。しかしながら、多くの企業がインドでの水ビジネスの成功を目指し、アプローチを仕掛けております。こういった各社の事例を整理し、理解することでインド市場進出のヒントが見えてくるかもしれません。

その他、49号ではイスラエルの水ビジネス戦略を特集として取り上げております。現在、多くのイスラエル企業が世界の水市場で活躍していますが、今回の特集ではその要因について紹介したいと思います。イスラエルという国が抱える問題、水ビジネスに関する政策、水企業の海外戦略などについて示しております。

中国水市場コラムでは、国内の汚泥処理市場にスポットを当て、その関連政策や主要中国企業の概要、そして今後の展望をまとめております。

[1]EWBJ47号に関連記事有り「Veolia Water、インド・カルナタカ州で3件の新規給水契約を受注
[2]EWBJ48号に関連記事有り「Suez Environment、インド2都市において2件の水管理契約を獲得
[3]EWBJ48号に関連記事有り「ジャーマン・ウォーター・パートナーシップ、インドに進出――第1回大会を開催
[4]「水ビジネスを優先して取り組むべき地域・国(ASEAN・インド)」、経済産業省水ビジネス・国際インフラシステム推進室

巻頭トピック

  • Modern Water、中国で3件の戦略的契約――キャメロン英首相の訪中に合わせて
  • United Envirotech、中国で2億5000万人民元のMBRの EPC契約獲得
  • チリ、鉱山開発に脱塩水の使用を義務づける法案が提出される
  • 中国国家海洋局、「2012年全国海水利用報告」を公表――2012年までの全国における造水量は1日当たり77.4万トンを達成
  • GWP、北米地域部門を設立――メキシコ地域部門と統合しアメリカ大陸での事業を強化

特集

イスラエルの水ビジネス戦略

中国水市場コラム

中国・都市部における汚泥処理事業の発展現状と課題

主要プレーヤーの動向

Veolia

  • Veolia Water(2013年12月~2014年2月の主な動向)
  • Veolia Environment、農業関連廃棄物市場における収益の急速な成長を予測――数年内に10億ユーロに
  • Veolia Water、飲用水の製造・供給管理事業をリヨン都市圏共同体と締結
  • Veoliaがめざす成長分野――掘削リグの解体や、オタマジャクシによる内分泌攪乱物質追跡
  • Veolia、Genesis Waterと提携し、世界の鉱山企業に鉱滓管理のターンキー・ソリューションを提供

Suez

  • Suez Environment(2013年12月~2014年2月の主な動向)
  • Degrémont、Tractebel Energia社からブラジルの水サイクル事業を受注
  • United Water、米カリフォルニア州の水リサイクル施設操業契約を更新
  • Suez Environment社、GDF Suezが放出した伊ACEA社の株式を購入

GE

  • GE(2013年12月~2014年2月の主な動向)

Siemens

  • Siemens(2013年12月~2014年2月の主な動向)

研究開発動向

  • 水圧破砕廃水の放射能、鉱山酸性排水で低減可能
  • 英国マンチェスター大学、酸化グラフェン膜を海水淡水化等への応用に向けて研究進める

注目企業の戦略動向

  • AECI、Clariantの水処理事業を38億円で買収――アフリカ市場での更なる拡大を目指す
  • イスラエルのArad、メキシコの水道メーター会社を買収へ
  • Cambrian Innovation社の水処理システム“EcoVolt”、米国Bear Republic Brewing社のビール醸造所で採用――生体電気技術でビール醸造廃水から浄水とバイオガスを産生
  • Desalitech、東洋エンジニアリングと戦略的パートナーシップを締結――閉鎖回路式RO式ソリーションの日本、東アジア展開を目指す
  • Essar、インドでの水事業の成長を目指す――2017年までに4倍以上の売り上げを目標とする
  • マレーシアGadang Holdings、水分野をはじめとしたインドネシアでのユーティリティ部門を積極的に拡大
  • Grundfos社のインド市場における3つの開発戦略
  • 韓国K-water、スマート・ウォーター・システムを推進することで積極的な海外展開を目指す
  • Mekorot、メキシコにおける地下水汚染の原因を特定し、水質向上を支援する555万ドルの協定を締結
  • NSF International、ブラジルの検査・分析会社を買収――中南米への展開を強化
  • Oasys Water、石油・ガス産業の油汚濁水を処理する省エネルギー型正浸透システムを独占販売する新しいパートナーシップを締結
  • オランダのPaques、インドの水処理市場に再参入
  • イスラエルのTaKaDu、スペインの水道ユーティリティから4年の延長契約を獲得
  • イスラエルのTaKaDuとブラジルのAegeaが戦略的提携
  • TAQA、水事業を単独で手掛ける部門を創設――インド市場への進出を目論む
  • Thames Water、汚泥からリン肥料を生産する新たな反応器を導入――約20万ポンドのコストダウンに
  • VA Tech Wabag、タンザニアとリビアで水処理プラントの契約を受注
  • 中国国中水務、スウェーデンのJosabを3200万元で買収

地域別の市場・政策・規制動向

国際

  • 水銀規制や水質規制が世界の活性炭市場の成長要因に
  • 世界銀行、増大するエネルギー需要に対応するための水イニシアティブを発表

欧州

  • 地下水保護指令の改定法案、欧州議会と閣僚理事会の精査経て欧州委が採択へ
  • スペイン、水事業モデル改革で2021年までに126億ユーロの経済効果が期待される

米州

  • 米国、水インフラ資金・改革法案に州レベルから反対の声
  • 米加州裁判所、2014年6月半ばを期限とした飲用水の六価クロム基準策定を当局に命令
  • 米国加州、「カリフォルニア州水行動計画」公表――短期・長期の優先課題を提示
  • テキサス州、リオグランデ川の水資源をめぐったニューメキシコ州相手の訴訟を続行へ
  • 米国上院議員、化学物質貯蔵施設による汚染から飲料水を保護するための新法案を提出
  • 米EPA、ホテルでの節水を奨励するWaterSense H2Otel Challengeプログラムを開始
  • 米政府監査院、安全飲料水法の改正で環境保護庁による30種超の汚染物質の監視を認めるべきと勧告
  • ペルー国会に飲料水の水源の管理・監視システム強化を国益と宣言する法案が提出される
  • ブラジルのミナスジェライス州、水道のPPPに11億レアルを投入へ

アジア

  • 中国、「都市・鎮の排水・汚水処理条例」がようやく2014年1月に施行――多くの課題の解決を目指す
  • 中国上海市、汚水処理の基準をすべて2015年末に1級Bに引き上げの予定
  • 中国環境保護部、「農村部生活排水処理プロジェクト建設と投資指南」、「農村部飲用水水源地環境保全プロジェクトの建設・投資指南」を公表
  • 中国、「土壌環境保護および総合対策行動計画」の策定を進める――土壌浄化市場は数十億元規模に発展する見込み
  • 中国北京市、2013年に例年で最多の13の地方環境標準を公布――強制性標準「水汚染物質総合排出標準」が2014年1月1日より施行
  • インド飲料水衛生省、水道普及率に関する国勢調査結果を発表――農村部30.8%、都市部では70.6%
  • インドのプネー市、中水のリサイクルを実施へ
  • インドのケーララ州、飲料水供給のPPP化を断念
  • インド・グジャラート州、廃液排出ゼロ(ZLD)技術普及のための専門家委員会設置へ
  • ベトナム・ハノイ市、都市下水処理に対して2020年までに約42兆ドンを投資
  • インドネシアの水道事業の要改善点――オーストラリア水協会の会長が指摘

その他

  • ロシア、2014年から企業に下水道への排水許可取得を義務付け――従わない場合は環境汚染料を徴収
  • ロシア・サンクトペテルブルク市、総投資額9000億円にのぼる2025年までの上下水道整備計画を承認
  • カザフスタン、2040年までの水資源管理を定めた国家プログラムを承認
  • アブダビ、遅くとも2018年までに廃水の100%再利用へ