第64号(2017年11月発行) – 勢いを増す韓国の水ビジネス企業

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EnviX「水ビジネス・ジャーナル」64号(2017年11月発行)の目次と主要トピックをお伝えします。

はじめに

海外へビジネス展開するうえでは、現地のローカル企業とだけでなく他の外資企業と競合することとなりますが、特に日本の水ビジネス企業にとっては、韓国企業は大きなライバルと言えるでしょう。例えば、今回のEWBJ64号でも取り上げているトピックとして、韓国の建設会社Daewoo E&Cが、タイ・バンコク都市圏水道サービス供給事業者であるタイ首都圏水道公社(MWA:Metropolitan Waterworks Authority)と覚書を締結し、水道サービス分野における技術協力の相互支援を進めていくことを発表したように、アジア諸国に着々と進出を図っています。このほかにも、海水淡水化や下水再利用などを事業分野とする韓国Hyosung Goodsprings社が、韓国水資源公社(K-water)と国内中小企業39社と共に、「水ビジネス中小企業海外進出支援」の覚書を締結しました。Hyosungは今後海外の水ビジネス市場にて、覚書を締結した中小企業と共同で入札に参加する方針であり、中国やベトナムなどで展開する予定とのことです。こういった韓国企業の影響が現地でどれだけ出てくるかは現時点では分かりませんが、タイやベトナムをはじめとした東南アジア諸国の水ビジネスは日本企業も注目している市場であり、今後もその動向が注目されます。

また、韓国政府も水ビジネスの国外展開を後押ししています。最近では、韓国の国土交通部が2017年9月にオマーンとサウジアラビアを訪問し、海水淡水化をはじめとしたインフラビジネス拡大をアピールしました。アジア諸国についてはもちろんですが、淡水需要が拡大する中東地域、そして日本企業の進出がまだ少ないラテンアメリカ地域に対しても韓国政府は積極的な姿勢を示しています。以下は、EWBJで取り上げました、韓国政府または韓国企業とラテンアメリカ諸国の最近の動向についての記事になります。

  • ペルーの住宅・建設・上下水省副大臣、韓国企業向けに上下水インフラプロジェクトを紹介(EWBJ64号)
  • パラグアイ政府と韓国政府、上下水工事の為の技術協力合意書を締結(EWBJ62号)
  • チリと韓国、水資源管理の協力体制構築のためのMoUを締結――淡水化に関する情報交換や技術アドバイスなどが対象に(EWBJ58号)
  • メキシコ国家水資源庁長官と韓国の国土交通省副大臣との会談で、韓国政府による水インフラ事業への投資意欲が確認される(EWBJ50号)

政府の後押しを受けて勢いをます韓国の水ビジネス企業ですが、日本にとってはやっかいな競争相手となるため、その動向をチェックして損はないでしょう。今後もエンヴィックスのEWBJでは、関連するトピックをお伝えしていきます。

その他、今回の中国水市場コラムでは「中国の地下水汚染対策分野の現状と展望」と題して、中国での地下水汚染に関する現状、最近の各種政策と具体的な浄化プロジェクトについてまとめました。

巻頭トピック

  • Mexichem、灌漑ソリューション世界最大手のNetafimを買収
  • ドイツのHuber、インド市場参入を目指して現地のATEグループとJVを設立
  • ドイツ、医薬品等残留物の浄水処理に欧州全体で1100億ユーロ超のコストを予想
  • 米カンザス州KHI、再生水の利用による健康への潜在的影響を分析
  • アブダビ、2020年までに全排水を回収、再利用へ

中国水市場コラム

中国地下水汚染対策分野の現状と展望

主要プレーヤーの動向

Veolia Water

  • Veolia Water(2017年9月~11月の主な動向)

Suez Environment

  • Suez Environment(2017年9月~11月の主な動向)
  • SuezとSolvay、中国における産業向け水処理で協力

研究開発動向

  • 合成ナノチューブに自然のアクアポリンをしのぐ浄水能力
  • ペンシルベニア州立大学などの国際チーム、淡水化用グラフェン・コーティング膜を開発――最終目標はスマート膜
  • 米ライス大の研究チーム、水圧破砕流体の再利用を可能にする超親水膜を開発

注目企業の戦略動向

  • 米Anderson Process、American Controls買収で営業範囲を中西部全体に
  • 韓国Daewoo E&C、水道分野での技術協力についてタイ首都圏水道公社と覚書を締結
  • ベトナムの浄水プロジェクトでDarcoとInfraCo Asiaが提携
  • 分散型水処理のFluence、中国の清水源環保科技からC-MABRを初受注
  • 英のグラフェン技術企業、国の資金による住宅用浄水技術開発プロジェクトを主導
  • 韓国Hyosung、国内中小企業の水ビジネス海外進出を支援
  • Jacobs、約32億7000万ドルにてCH2Mを買収へ
  • Italmatch Chemicals、Sudamfos do Brasilを買収

地域別の市場・政策・規制動向

国際

  • 官民連携による水事業の世界の成功事例紹介(ルーマニア、ドイツ、フィリピン、モロッコ、ブラジル、米国)
  • 世界の水道水の83%がプラスチック繊維で汚染
  • 水不足が電気自動車に与える影響
  • 再生水の利用を促進・阻害する5つの要因

欧州

  • 東欧の上水道インフラ、大きな投資が必要――2020年までに60億ユーロが必要に
  • 欧州委員会が水枠組み指令の合目的性の見直しに着手、ロードマップで進め方示す
  • アイルランド、下水処理の不備によって環境と人の健康へのリスクがあると判明
  • WWF UK、イングランド及びウェールズにおける河川の水質汚染状況の調査結果を発表―-40%の河川が下水によって汚染されている
  • デンマーク、飲み水の有害物質テストで除草剤成分が制限値を超える
  • デンマーク環境保護庁、飲料水に関する規則を改定、水質検査を拡大
  • 仏と独の水企業グループ、イランと協力協定

米州

  • 米でFord工場による地下水汚染をめぐり住民訴訟
  • 米45州の水道水、1,4-ジオキサンで汚染
  • 第18回イベロアメリカ水会議で各国政府水当局が、国連の持続可能な開発目標達成のための技術協力強化を合意
  • ペルー、環境対策を考慮した下水インフラ環境管理プログラム作成に関する決議書を公布
  • ペルーの住宅・建設・上下水省副大臣、韓国企業向けに上下水インフラプロジェクトを紹介
  • ブラジル・リオデジャネイロ州の国営水事業会社の民営化をスタディするコンソーシアムが発表される
  • チリ下院、鉱山開発に海水使用を義務付ける法案の審議開始を承認
  • アルゼンチン、合計95億米ドルにのぼる38プロジェクトへのPPPによる民間企業の参加募集を開始――募集は2017年12月15日まで

アジア

  • 中国環境保護部、2017年上半期「水汚染防止行動計画」の進展状況を報告
  • 中国、「水利用効率ラベル管理弁法」を公布――2018年3月1日より施行へ
  • 中国工業情報化部、2017年度の水利用効率トップランナー企業を発表――海水の利用や廃水排出ゼロなどの技術が導入される
  • 中国3つの行政機関、「重点流域水汚染防止計画(2016~2020)」を公布
  • 中国、水資源税試験事業の実施範囲を拡大へ
  • 中国環境保護部、11省・市の飲用水源地における違反ゼロの年内達成を強調
  • 台湾行政院、産業用水確保のための4つの施策を打ち出す
  • 韓国国土交通部、スマートインフラや淡水化分野において中東市場の開拓に力を入れる方針
  • タイ、複数の産業別の排水基準案を検討中――まずは淡水化事業と皮革なめし業で制定される見込み
  • ベトナム・ハノイ、産業クラスターのほとんどで廃水を未処理のまま環境中に放出
  • ベトナム、2020年までの上下水関連プロジェクトに102億ドルの投資が必要
  • マレーシア・ジョホール州、水質汚染対策規制の改善を中央政府に要請
  • マレーシア、水質汚染を繰り返す違法な養鶏場と肥料工場に対し法的措置へ
  • ミャンマー政府、排水未処理の工場の対策を強化へ――適切な排水処理を行っている工場はわずか10%程度のみ
  • インド・タミルナドゥ公害管理局、河川の汚染を調査――汚染の原因となった23の染色工場と廃液処理施設を閉鎖
  • インド・マハラーシュトラ州、産業セクターに対して下水再生水の使用を義務化する意向

その他

  • サウジアラビア政府、原子力エネルギーの開発強化に向けて中国と覚書を締結――原子力エネルギーを利用した淡水化プロジェクトも進めていく
  • エジプト、5県に淡水化プラント16基建設へ――合計で日量47万3000立方メートルの造水能力