WQA主催の会議にインドのPOU/POE企業が結集

アメリカの水質協会(WQA:Water Quality Association)は2008年7月23日、その活動範囲の国際化をめざし、インドの家庭用POU/POE(point-of-use/point-of-entry)浄水器メーカーら40社近くから50人以上を集めてムンバイで会議を開催した。この会議はTask Force in Indiaと呼ばれ、WQAのTom Palkon認証担当理事によれば、WQAが各国で立ち上げようとしているタスクフォースの最初の試みである。WQAの国際部は、かなり以前からさまざまな国のメンバーを受け入れてきたが、今回のTask Force in Indiaのように地元の国内にWQAの活動を積極的にひろめていこうというグループの結成は、これがはじめてである。

Task Force in Indiaのメンバーらは、WQAの活動方法をインドに適用するのにどこを修正すればよいのかを検討している。今回の会議では、業界の自主規格の制定と教育研修の推進の枠組づくりで出席者の合意を得ることができた。

 

議論の中心となったのは、インドにおける消費者のニーズと家庭用浄水器業界のありかたである。なかでも、インドの市場で求められる製品性能の規格、北米とヨーロッパの規格のインドへの適合性、インド規格局の関与の必要性と関与する場合のタイミングや程度などが議論の大きなテーマとなった。また、UnileverのNimish Shahが議長を務める専門部会が設置され、そこでこの問題の議論をさらに深めていくことになった。

教育研修と広報活動についても、それぞれの専門部会が設けられた。教育研修専門部会の議長はEverything About WaterのSubramaiamが務め、広報活動専門部会はIon Exchange IndiaのR. S. Rajanが務めることになった。

Task Force Indiaではまた、WQAに対し、POUとPOEのインド規格に関する合意形成についてインド規格局と交渉に当たってほしいとの要求も出された。これに応えてWQAは、インド規格局に書簡を送ることになっている。

WQAのPalkon理事によると、WQAの認定ウォーター・スペシャリスト(CWS:Certified Water Specialist)養成プログラムのいわばインド版をつくることにも関心があつまっているという。こうしたプログラムにも、また製品の認証にも、インドの配管工事基準や水道業界の慣行に合わせて修正を加える必要がありそうだ。

 

Task Force in Indiaの全体の議長には、浄水機器メーカーのFiltrex International(本社:バンガロール)のGovind Bommiが就き、副議長にはUnileverのVikram SurendranとEureka ForbesのMarzin Chroffが選ばれた。また、WQAのテクニカル・コンサルタントであるRegu P. Regunathanが全体のサポートとして活動し、Tom Palkon認証担当理事は会議全体を通して指導的な役割を演じた。

今後のTask Force in Indiaに参加を希望する者は、はじめて参加する場合はWQAの会員である必要がないが、2回目以降はWQAの会員資格が必要となる。Task Force in Indiaは年に2回の開催が考えられており、次回は2009年1月の終わりにニューデリーでの開催が計画されている。

なお、WQAは近年、本来のベースである北米での会員数の伸びが鈍りがちで、それ以外の地域での会員獲得に大きな期待を寄せている。今回のムンバイの会議にも、マレーシアや、ヨーロッパのいくつかの国から企業会員の参加があった。