上海市環境保護局が今年5月に奉賢区の「星火開発区」など7つの工業団地(中国語では「園区」)に対して認可制限を実施して以来、各園区では、地方政府のサポートのもとに、汚水処理場及びパイプ網の建設を加速しており、既に1カ所の園区は認可制限の解禁条件を満足させた。
上海市政府は、2004年10月に「上海市の園区における汚水対策加速に関する若干の意見に関する通知」を発表し、保有する78の園区について、2006年末までに、園区内の汚水パイプ網、企業の汚水管、汚水処理場の建設を完成させ、園区内の企業の汚水を集中処理し、基準値に達してから排出するようにさせることを定めていた。
数年間の努力を経て、圧倒的多数の園区では、既に「通知」の精神に基づき、汚水処理場及び汚水パイプ網の建設を行った。しかし、いくつかの園区では、汚水処理場あるいは汚水パイプ網の建設に力を入れておらず、ずるずると遅れ、地元の水質環境に重大な影響を及ぼしている。
上海市環境保護局は、COD排出総量を削減するため、上海市政府の同意を得て2008年5月に奉賢区星火開発区、金山区廊下開発区(その後、現代農業園区に変更)、金山区興塔工業園区、青浦区白鶴工業園区、祟明県富盛工業区、宝山区北部工業区、宝山区羅店工業区の7工業区について、汚水処理場または汚水パイプ網の完成までは建設プロジェクトの環境影響評価書類の審査・認可を一時停止することにした。
<関連の区・県が積極的に協調して汚水処理場の建設を推進>
認可制限令が出されて以来、認可制限を受けた園区が所在する区・県の政府はこのことを非常に重視し、汚水処理場の建設を積極的に推進し、改善の歩みを加速させた。
興塔汚水処理場が2008年7月25日に完成し通水した。汚水処理場の設計処理能力は一日1万トン、出水水質はⅠ級Bである。6平方kmの範囲をカバーする。9月1日までで既に23.7kmの主パイプ網が完成し、58企業が送水、その水量は工業団地の水量の50%に相当する1600トン/日で、解禁条件を満たした。
廊下汚水処理場と白鶴汚水処理場第一期の処理規模はいずれも一日1万トン、土木工事は既に完成しており、それぞれ2008年9月末に通水の見込み。汚水主パイプ網も完成しており、収集パイプ網は敷設中で、9月末に工場団地の汚水が処理場に送られる予定。
奉賢東部汚水処理場の拡張工事(星火開発区の汚水がこの汚水処理場で処理される)では、一日7万トンの汚水処理装置が増設され、2008年9月末に着工の見込み。祟明県新河汚水処理場の一日3万トンを処理できる処理装置は6月に着工された。これら2汚水処理場は2009年6月末までに完成し通水の見込み。
宝山区北部工業区と宝山区羅店工業区は宝山区政府から督促されて、工業団地と汚水西幹線のメインパイプとの間の汚染排出パイプの敷設に全力をあげており、2009年上半期に完成する。幹線パイプ完成後は工業団地の汚水がパイプ網を通じて石洞口汚水処理場に送られ集中処理される。
<2009年上半期に7工業団地全部が解禁条件を満たす>
上海市環境保護局の担当者によれば、興塔工業区は既に解禁条件を満たしており、現在関連手続きを行っている。2008年末に、金山区廊下工業区、青浦区白鶴工業園区が解禁条件を満たせば、上海市環境保護局がすぐに手続きをとり、2009年上半期に、星火開発区、宝山北部工業区、宝山区羅店工業区、祟明県富盛工業区も解禁条件を満たす予定である。