タイ政府灌漑局(Royal Irrigation Department)の発表によると、同国は、総工費約515億円相当の4つの水関連プロジェクトを年内にも着工予定とのことである。これにより国内の灌漑面積は2020年までに450万Rai(1 Rai = 1,600㎡)に拡張される。
4つのプロジェクトの内訳は以下の通りである。
- スラタニ(Surat Thani)のRatchapradaダムにおける送水ポンプ設置工事。総工費は約40億バーツ(約121億円)。
- ChanthaburiとRayongの間に全長46kmのパイプライン建設。同41億バーツ(約124億円)。
- Chanthaburi周辺に全長11kmの水路建設。同38億バーツ(約115億円)。
- バンコクのチャオプラヤー(Chao Phraya)川流域からチョンブリ(Chon Buri)のBang Phra貯水槽への導水工事。同56億バーツ(約170億円)。
上記②~④のプロジェクトは主に東部地域の水不足解消、特に一般家庭並びに工業施設への給水状況改善を目的としている。
『バンコクポスト』紙の報道によれば、上記4プロジェクトの準備計画は、環境影響評価も含めてほぼ終了しており、実施期間に関しては、いずれも5年を目途としている。財務省ではこれから出資者を募集するが、いずれのプロジェクトでも最低年間投資還元率10%が確実視されている現実から鑑みて、資金調達はスムーズに進むことが予測されている。
そのほか、灌漑局が着手しているプロジェクトの中には、6件のパイプライン建設工事(総工費用96億バーツ、約290億円)、10件の大型プロジェクト、154件の中規模プロジェクト(同500億バーツ、約1,515億円)がある。また、自治体レベルにおいて2011年までに実施予定の小規模プロジェクトの数は1,000件弱を数え、投資総額は150億バーツ(約455億円)にのぼる。