中国建設部、都市・鎮の汚水処理施設の建設・運営は順調に進まず厳しい状況と報告

2009年7月中旬、中国建設部は全国の都市・鎮の汚水処理施設の建設・運営状況に関する現状報告を行なった。2009年3月末までに、全国の市、県及び一部の鎮で汚水処理場は1,590ヵ所建設され、汚水処理能力は9,204万立方メートル/日に到達した。建設中の汚水処理プロジェクトは1,885ヵ所であり、設計能力は約5,517万立方メートル/日である。現在までに、全国で約4分の1の都市及び8割の県はまだ汚水処理施設を建設していない。

 

国内需要を拡大し経済成長を促進する政策の実施に後押しされ、2009年第1四半期に、新しい汚水処理場は61ヵ所建設され、汚水処理能力は368万立方メートル増えた。新たに起工されたプロジェクトは61件であり、汚水処理能力は112万立方メートル/日である。3月末までに、浙江省、河南省、山東省、江蘇省、寧夏自治区、貴州省及び新疆自治区における都市は既に汚水処理場を建設したが、全国で167の都市はまだ汚水処理場を建設していない。中部地域及び東北工業基地に関係する省の汚水処理施設の建設は極めて困難である。県・鎮の汚水処理施設の建設は着実に進展し、現在までに全国で398の県が434ヵ所の汚水処理場を建設した。太湖流域、三峡ダムなどの地区における重点鎮の汚水処理施設の建設は絶えず加速している。

 

建設部の責任者によると、中国の都市・鎮の汚水処理施設の現状は厳しく、汚水処理場の建設及び運営に依然として多くの問題があるという。主要な問題は下記の通り。

 

【中国における汚水処理施設建設推進上の課題】

  • 全国で約4分の1の都市及び8割の県はまだ汚水処理を建設していない。
  • 運営1年間以上の80ヵ所の汚水処理場は運転稼働率が30%以下である。うち、約20%の汚水処理場は季節性運休にあり、5%の汚水処理場は設計規模が実際より大きすぎ、5%の汚水処理場は施設改造あるいは検査・修理中である。付帯する汚水収集パイプネットワークがうまく建設されていないことが稼動率低下の主なファクターとなっている。
  • 12.5%近くの汚水処理場に入る汚水のCOD平均濃度は150mg/L以下であり、汚染物削減の役割は十分に発揮されていない。
  • 2009年第1四半期に、一部の汚水処理場は工業廃水の基準超過排出のせいで汚水のCOD濃度は基準を超過し、3000mg/Lに到達することもあり、施設の安全に大きなリスクをもたらしている。
  • 20%の汚水処理場は化学分析能力を備ていないか、あるいは関係規定に準じて検査・測定を行なっていない。