ドイツの水処理産業、2008年も世界輸出高第2位を死守

ドイツ機械工業連盟(VDMA)が2009年11月4日発表したところによると、2009年上半期のドイツの浄水設備/下水・汚泥処理設備の輸出総額は約3億4400万ユーロ(約460億円)となり、2008年同期比で6.9%減に留まった。連盟のGottlieb Hupfer部長によると、2009年上半期のドイツにとっての世界最大の輸出市場はロシアで3,310万ユーロ、次いで中国の3,200万ユーロであった。一方、EU27カ国に対する総輸出高は7.5%減少し、1億4700万ユーロに留まった。ドイツにとってのEU域内最大の輸出市場はフランスで2,470万ユーロ、次いで英国の1,900万ユーロであった。
http://www.maschinenmarkt.vogel.de/themenkanaele/betriebstechnik/arbeitsschutz/articles/237264/

ドイツのメーカーは2008年、総額6億5800万ユーロ(約880億円)の浄水設備/下水・汚泥処理設備を世界に輸出した。これは世界の総輸出額の23.7%を占め、世界第2位であった。第1位は米国の6億8400万ユーロで、同24.7%を占めた。3位はイタリアの2億8900万ユーロで、同10.4%を占めた。以下、カナダ、フランス、オランダ、中国、英国、スペインの順で、日本は10位(3.7%)に留まった。以上のデータを以下のリンクに示す。
http://www.maschinenmarkt.vogel.de/index.cfm?pid=7502&pk=237264&op=1&type=article#gallery_content

 

VDMAのアンケートによると、2009年1月1日上半期分に関して、ドイツの浄水設備/下水・汚泥処理設備メーカー/供給業者への発注者とその内訳は、以下のとおりである。

  1. 公共・民間上下水道事業者(30.52%)
  2. 化学・石油化学・医薬品産業(10.70%)
  3. 金属加工処理産業(10.00%)
  4. 飲料水業界含む、食品・嗜好品産業(6.87%)
  5. エネルギー生産・供給業界(5.96%)

 

アンケートに答えたドイツ企業のうち62%は、2009年上半期には「顧客からの引き合いが変わらなかった」と答えた。しかし、下半期に関して約48%の企業は、「受注額が減る」と予想していた。これに対して、「受注額が増える」と予想しているのは35%にすぎなかった。これら企業の2009年下半期の設備利用率は、平均で79%である。これらドイツ企業は、2009年の決算が総じてプラスと見込んでいる。来年以降、工業下水処理分野は、やや成長の傾向を秘めながら、2009年水準を保つと見込まれる。一方、自治体部門に関しては受注減が見込まれることから、これら企業は国による環境保護補助事業を望んでいる。