韓国、下水処理施設のエネルギー効率向上へ

韓国環境部は2010年1月上旬、エネルギー消費量が多い下水処理施設にグリーン技術を適用し、エネルギーを削減すると共にクリーンエネルギーを生産するといった「下水処理施設におけるエネルギー自立化計画」を発表した。環境部が発表した「エネルギーの自立率」というのは、年間エネルギー使用量に対して、エネルギー削減量と再生エネルギーの生産量の合計を比率で示した概念である。

知識経済部は、2008年度にはこの比率が0.8%に過ぎなかったと述べるとともに、下水処理施設は下水処理の過程において活用されないエネルギーが多いので、このような計画を策定したことを明らかにした。また、このエネルギー自立化計画は、2030年までに自立率50%を達成することが目標であり、3段階に分けてエネルギー効率が高い設備を導入し、段階別に消化ガス、下水熱、風力、太陽光などのエネルギーが活用されるよう支援してゆく計画である。

知識経済部は、工程別及び設備別にエネルギーを削減する技術や情報などを整理し、こうした技術を教育などを通して支援する予定であり、エネルギー効率が高い脱水機や送風機などを導入する計画である。2010年からは、地方自治体を対象にしてエネルギー自立化計画に関連する事業も試験的に実施する予定である。また、エネルギー自立化に関する事業を活性化させるために、関連する法令も制定及び改正し、下水処理施設別にエネルギーが利用されている状況を調査し、施設別計画も策定する計画である。環境部は、この計画を推進するため、2015年までに5426億ウォン(約500億円)、2030年までには合計3兆4666億ウォン(約3000億円)が使用される見込みであると説明した。さらに、2030年までに自立率50%を達成すれば、電力を年間907GWh代替できると共に、温室効果ガスを年間55万8000トン削減できる効果があり、年間510億ウォン(約50億円)に上る経済的効果が期待されると述べている。