Siemens、水ビジネスでもブルネイへの進出を窺う

Siemensは、まもなく第3波の開発がはじまるブルネイで、開発とともに増大が予想される水需要に応えるべく、水ビジネス市場への浸透をはかろうとしている。

同社ASEANクラスターのLothar Herrmann CEOは、2010年5月27日にブルネイで催された顧客企業へのプレゼンテーション集会において、Siemensは水ビジネスのあらゆる分野にソリューションを用意しており、ブルネイの増大する水需要に応えることのできる技術力を備えているとして、つぎのように語った。

「われわれは製品やソリューションをさまざまな応用に向けてカスタマイズしてきており、それらをブルネイの需要に合わせて提供することができる。ブルネイはいままさに、第3波の開発を計画しているさなかであり、われわれがこれまで実績を築いてきた分野におけるプレゼンスを高めるには絶好の時期といえる。さらにわれわれは、水市場にも進出し、ブルネイにおけるポジションをいっそう強化したいと考えている」

水分野でSiemensが用意しているソリューションとしては、浄水処理、下水処理、産業用水処理、産業廃水処理、水再利用・リサイクル処理、残渣処理などがある。

現在のところ、Siemensのなかでブルネイにおけるビジネスに最も貢献しているのはエネルギー部門であり、保健医療部門と工業部門がそれにつづいている。

Herrmann CEOはまた、石油およびガスの分野でもチャンスが急速に拡大しつつあるとし、さらにこう述べた。「ブルネイにおける事業拡大の一環として、われわれは、ブルネイ国際空港のグレードアップなど、いくつかの直近のプロジェクトをしっかり受注していくつもりだ」

Siemensはまた、ブルネイの産業に率先してグリーン・テクノロジーを導入していく考えだ。「これは、ASEAN地域におけるカーボン・フットプリントを減らすというわれわれの約束の一環である」とHerrmann CEOはいう。

この集会には、Siemensの顧客企業、政府関係者、起業家、企業オーナーらが200人ほど参加し、Siemensとのあいだで意見交換をおこなった。このなかでHerrmann CEOは、同社が比較的小規模な新興市場を自社のファミリーに加えることを強く望んでいると述べた。

いっぽう、ブルネイ経済開発委員会のDatuk Paduka Timothy Ong委員長代理は、これから同国がとりかかろうとしているプロジェクトは、ほとんどが、さまざまなソリューションを必要とする技術課題を抱えているとした上で、つぎのように述べた。「特定の専門技術を提供することにおいて抜きん出ている企業はたくさんあるが、わたしの見るところ、ブルネイの開発に必要なソリューションはSiemensのポートフォリオにほとんどはいっている。こと技術にかけては、Siemensの名前を挙げないわけにはいかない」

同委員長代理はさらに、ブルネイはこれまでもつねに信頼性を重視する立場から世界的な企業との協力を優先してきており、その意味でSiemensは、ブルネイで一定期間プレゼンスを保ってきた企業のよい例だと語った。

同委員長代理はまた、ブルネイでこのようなビジネス会合が定期的にもっと多く開催されることを望んでいると述べた。