2010年4月13日、バルセロナにて“水資源に関する第4回欧州-地中海諸国閣僚級会合(4thEuro-Mediterranean Ministerial Conference on Water)”が開催された。同会合にはEU加盟国や地中海沿岸諸国など43ヶ国が参加し、同地域の水資源管理戦略について議論が行われたものの、共同文書を採択することはできなかった。今回の会合では、各国の水資源政策を調和させる政治的、経済的フレームワークの採択が期待されており、このフレームワークでは、2025年までに水の消費量を2005年比で25%削減するとの目標が掲げられていた。
採択に至らなかった原因は、イスラエルとアラブ諸国の間で対立した“パレスチナに対する文言”である。イスラエルは、パレスチナ地区を“占領地区(occupied territories)”とする文書の採択を拒否し、“占領下にある地域(territories under occupation)”との文言を提案したが、アラブ諸国はこれを受け入れなかった。
スペイン環境農村海洋省のElena Espinosa大臣は、同会合の開会の挨拶にて、「地中海は水理学的にバランスを欠いた水域であり、周期的な洪水や干ばつなどの問題に見舞われている。地中海連合(UfM:Union for the Mediterranean)に加盟している国々には、共通の戦略を採択することが求められている」と語った。また、UfMのAhmad Masa’deh事務局長は、地中海沿岸諸国のすべての住民が水にアクセスできるようにするために早急に行動をとることを求め、同時に、生態系を脅かす開発を止めるよう要求した。
地中海連合のウェブサイトへのアクセスは、以下のURLより。
http://www.ufm-water.net/
また、会合で採択に至らなかった文書“Strategy for Water in the Mediterranean”のドラフト案は、以下のウェブサイトにて閲覧できる。
http://www.ufm-water.net/themes/SWM.doc