Veolia Environment SA、総合的な指標を開発して人間の水資源に対する影響の評価を開始

水が、ますます足りなくなってきて、高価になるにつれて、消費者は、それを評価するための多くの新しい方法を見つけている。

水「フットプリント」の計算プログラムは、インターネット上に急増しているし、エコノミストは、たとえば、1ポンド(約450 g)の牛肉を生産するのに必要な1,900ガロン(約7 m3)、あるいは綿のジーンズには2,900ガロン(約11 m3)などの仮想水(virtual water)の隠れたコストを計算している。

しかし、世界最大の水技術会社は、そのようなツールは、水が戦略的な経済的資産となりつつある時代にあっては、部分的に評価しているに過ぎないと言う。

そこで、Veolia Environment SAは、2010年7月19日、人間の活動の水資源に対する影響のこれまででもっとも総合的な指標と考えているものを発表する予定である。

同社は、「淡水の利用可能性が、世界中の多くの地域の都市や産業にとって成長の主な制限要因となると予測されている」と述べた。水資源に対する影響を理解することが将来繁栄を維持するために不可欠になりつつあるとVeoliaは言う。

Veoliaは2010年7月19日に開かれる第4回年次ミルウォーキー水サミット(Milwaukee Water Summit)において「水影響指標(Water Impact Index)」を発表するつもりである。世界で活動しているこの会社は、フランスを本拠地としているが、米国における経営の最高責任者Laurent Auguste氏が業界団体であるMilwaukee Water Counci(ミルウォーキー水協議会)の役員であることから、この発表のためにミルウォーキーを選んだのである。

ほとんどの水に関する指標は、ガロン当たりの使用量あるいはストレスとして知られる希少性の尺度に限られているとAuguste氏と述べた。Veoliaの指標は、水の消費量、ストレス、水質、水処理や送水に必要なエネルギーなどさまざまな要素を組み合わせたものである。要するに、この指標は、ウォーターフットプリントとカーボンフットプリントを結合したものである。

Veoliaは、会社や都市が持っている水資源でどのようなプロジェクトを続けることができるかを判断する際に、この指標、あるいはこれを変形したもの、が経済面や環境面で活用できると考えている。Auguste氏は、Veoliaの指標は、水が21世紀の経済のなかでまったく新しい方法で測定され、評価されることを示していると述べた。

Veoliaは、この指標を上記サミットの少し前に仕上げて、予備測定に使い始めている。そのうちの1つは、シリコンバレーがあるカリフォルニア州における水使用をウィスコンシン州のそれと対比することである。ウィスコンシン州の住民1人当たりの水使用量は、カリフォルニア州の住民よりはるかに多い(1,552ガロン(約6m3)/人/年に対して911ガロン(約3m3))が、後者は、使っている水にはるかに高い環境コストを支払っている。

Auguste氏は、カリフォルニア州では北部から南部の乾燥した都市域に送水するだけのために同州の全電力消費量の5分の1を使っていることがその主な理由であると述べた。五大湖のような淡水の供給源がないので、カリフォルニア州はまた、エネルギーを大量に消費するプロセスである海水の淡水化をせざるを得ないのである。

同氏は、「世界の都市や経済圏は、昔から水が利用できる場所のそばに作られている。経済分析に加えて、水と炭素を同時に評価することによって、組織は真に持続可能な決定をするためのより包括的な枠組みを得ることができる」と述べた。