シンガポール国際水週間でGEが最新の技術を展示

2010年の「シンガポール国際水週間(SIWW)」(6月26日~7月1日)でゼネラルエレクトリック社(GE)が世界の水不足や水利用に関するさまざまな問題の解消に役立てることができる広範な製品のラインナップを展示した。

現在の世界では、10年以内に水の需要が供給を470兆ガロンも上回ると見られており、国連も2025年までに世界の総人口の3分の2が水不足の問題に直面すると予測している。そのような水危機を少しでも回避するためには、水の需要を減らし、供給を増やす努力をしなければならない。

SIWWの期間中、GEからは、GE Power & Waterの社長兼最高経営責任者のSteve Bolzeを始め、何人かの幹部が会議に出席し、世界の水問題とその解決策について発言を行った。金融戦略と水の価格の高騰抑止をテーマとした会議に出席したBolzeは、今の世界が直面している水問題の深刻さと、産業の成長が電力と水という相互に深く依存したふたつの基本的な資源の需要と供給に及ぼす影響を語り、どのように水の再利用や高度な水処理の技術を利用すれば、経済を発展させながら持続可能な水の供給を確保できるかを語った。

GE Power & Waterの一事業部門であるWater and Process Technologiesの社長兼最高経営責任者のHeiner Markoffは、中東・北アフリカ地域における水問題について話し合う会議に出席し、この地域において早くから取り組まれてきた脱塩プロジェクトのほか、最近になって注目を集めている廃水処理など、水ビジネスの業界のさまざまな技術の動向を紹介し、最新の膜技術を利用した都市や工場の廃水処理がこの地域における水問題の解決に重要な役割を果たす可能性があると語った。

GE Power & Waterの水・処理技術の戦略開発リーダー兼最高マーケティング責任者であるSteve Watzeckは、東南アジアの問題について話し合う会議に出席し、この地域では、しだいに水質の劣化や水の汚染が進み、きれいな水が手に入りにくくなっており、逆に、それが起爆剤となってグリーン・テクノロジーの開発に拍車がかかる可能性があるという見通しを語った。

このように、経営幹部がいくつかの会議に分かれて出席して発言をする一方で、GEはこのSIWWの期間中に以下のような自社の技術の展示も行った。

雨水再利用技術――最新の米国環境保護庁(EPA)のガイドラインでは、施設の所有者や経営者に対して腐食や沈殿物を管理し、水質の汚染を防ぐことが求められており、GEは施設の建設業者向けに新しいソリューションを開発している。

Ÿ微量水銀除去技術――EPAは米国の五大湖に排出されている廃水中の水銀の量を規制しようとしており、GEはすでにそうした新しい規制の流れに対応し、水銀の量をひと桁のpptのレベルにまで低下させる技術を開発している。

ŸInnovOx――分析の難しい工業廃水の分析も容易にできるようにしたTOC(全有機炭素)分析計であり、GEはこれにより、工業廃水をさしたる予防保全の必要もなしに機械的に分析することを可能にした。

ŸRe-PAK/Propak――Re-PAKは、SIWWで初めて紹介されたGEの限外ろ過(UF)と逆浸透のシステムを組み合わせた技術であり、資本支出も導入予算も運転費用も削減し、なおかつ水質も向上させることができる。Propakは、ボイラーを使用する発電所などの施設に向けた技術であり、処理水中の溶解固形物を除去することができる。

Ÿ防塵技術――労働環境を環境基準に合わせて改善し、周辺地域に汚染が広がるのを食い止め、保守費用も削減することができる技術である。

Ÿ冷却水技術――運転経費を削減し、化学物質の利用を最適化し、運転環境の変化に柔軟に対応して施設を守ることができる技術である。