Siemens、ドーハのポンプ場に脱臭システムを提供

Siemens Water Technologiesはこのほど、フランスのVinci Constructionがカタールの首都ドーハに所有するポンプ場、North Doha Pumping Stationに、最新のガス脱臭システムを提供する350万ドル(約2億9000万円)の契約を獲得した。

2011年半ばに完成する予定のこのシステムは、多段式の化学的脱臭装置に、最終段として活性炭吸着槽を付加したハイブリッド式のもので、硫化水素などの不純物を99%除去することができる。1時間あたりの悪臭空気処理能力は最大17万立方メートルである。Vinciのポンプ場の周辺一帯では悪臭がたびたび問題になっていたが、これでその懸案が解決されることになる。

このポンプ場は脱臭装置を設置するスペースがきわめて限られているため、多段式化学的脱臭装置を求めていたが、その要求に応えることのできたのはSiemensだけだった。Siemensのシステムは一体型で、設置面積が最小になるように設計されており、完全に組み立てられた状態で現場に搬入される。現在まで、Siemensは世界中で2000基以上の脱臭システムを稼働させている。

Siemensは、このポンプ場の4つの悪臭発生源にそれぞれ脱臭システムを設置する。流入口濾過槽、揚水ポンプ、送水ポンプ、およびインターセプター下水施設の付近である。

今回の契約獲得について、Siemens QatarのMartin a Porta CEOはこう述べている。「われわれが提供する脱臭システムは、臭気が外気に漏れないようにするために、なくてはならないものだ。このシステムによって、施設の排出ガスから臭気の原因物質を99.9%除去することができる」

今回の350万ドルの契約の発注主体は、この施設の建設にかかわっているVinci Construction、QDVC、およびEntrepose Contractingの合弁会社である。脱臭プロジェクトの管理は、Siemensのアラブ首長国連邦およびカタールの現地スタッフがおこなう。