環境保護団体のサポートにより実施された調査によれば、約2500億個ものプラスチック片が地中海に流れ着いており、海洋生態系に悪影響を及ぼす危険性があるという。
この調査は2010年7月にフランス、イタリア北部及びスペインで行われたもので、サンプル収集により4371個の微細なプラスチック片が得られ、地中海全体では2500億個、重さにして約500トンのプラスチック片が漂っていると試算された。このサンプリングは予備調査であり、2011年にはジブラルタル、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、サルジニアにおいて更なる調査が行われる予定である。
細かくなったプラスチック片はプランクトンと共に小魚に食べられ、より大きな捕食者に食べられる。環境保護団体はアザラシやカメなどの大型海洋生物の体内に破片が蓄積されダメージを与えると指摘した。
同団体は、唯一の解決策は微細なプラスチック片の出所を断つことだとし、ヨーロッパ連合(EU)にルールの厳格化と消費財を分解可能なものにするよう求めている。
1月1日からイタリアでプラスチック袋が非合法化へ(2010年12月30日、ローマ)
イタリア政府は2011年1月から国内のショップ、スーパーマーケットのビニール袋を廃止する方向で調整中である。
イタリアはヨーロッパにおけるビニール袋消費量トップであり、1人当たり年間300袋以上消費している。また同国はヨーロッパ全体の年間消費量の4分の1である約250億枚ものビニール袋を中国、タイ、マレーシアから輸入している。
環境大臣は、ビニール袋廃止を環境汚染に対する戦いの第一歩だとし、1人1人がリサイクルにより責任を持つようになるだろうと話す。現在、同政府は周知キャンペーンを推進中であり、環境保護団体も政府のこうした取り組みを好意的に受け取っている。