韓国環境部は、2010年12月23日、これまで行政区域別に下水処理施設を設置・運営していたことにより費用の浪費が発生していたとの問題点を説明し、今後、全国を43地域に区分し、これら地域における下水道処理施設を統合して管理することを明らかにした。
環境部は、まず2011年までに10地域、2015年までに25地域に関して、当該地域の下水処理施設を統合して運営できるよう、管理体制を構築する計画である。加えて、地域別に下水道の運営権を民間企業や公共企業に委託することも予定している。
環境部は、こうした下水処理施設の統合計画を推進するため、パイロット事業を実施すると共に、対象地域に対してはインセンティブを提供する予定である。また、2011年には「下水道法」を改定し、下水処理施設の規模、配置及び水質などに関する規定を改定、公告する。パイロット事業を実施する際には、当該地域に対しては建設費用、運営費用などを支援する方針である。
環境部は、下水道の処理を地域別に行うことにより、建設コストが3845億ウォン(約320億円)、運営コストが209億ウォン(約16億円)削減されると期待している。また、同部は、民間企業に委託して下水処理場を運営することで、放流水の水質も改善されると見込んでおり、下水1トン当たり処理費用についても、民間に委託することで35ウォン(約3円)安くなると説明している。
環境部は、現在全国に適用している放流水の水質基準を廃止し、それぞれの下水処理施設に対して放流水の水質基準を新たに策定し適用することを計画している。新基準の作成に当たっては、下水処理施設の規模、地域の特性などを考慮し、関連業界及び専門家と協議を行う予定である。