Siemens Water Technologiesは、世界的な大手清涼飲料メーカーがフィリピンに新設するボトリング工場にオンデマンド廃水処理ソリューションを提供する。この数百万ドル規模のプロジェクトには、Siemens独自の生物学的処理装置であるOmniflo逐次バッチ処理反応器(SBR:Sequencing Batch Reactor)システムが使われる。このシステムが選ばれたのは、ボトリング・ラインにとって理想的なモジュラー構造とバッチ処理能力が評価されたためである。
清涼飲料の製造はバッチ処理によっておこなわれ、1日のうちに流れが何回も中断する。そこでの理想的な廃水処理ソリューションとは、製造能力を制限することなく製造プロセスを支援するものということになる。フィリピンの新設ボトリング工場では、Siemensが提供する新システムにより、製造プロセスに柔軟性が生まれ、新たな清涼飲料製品を、廃水処理の方式を大きく変更することなく製造ラインに加えることができ、需要の変化に即応した対応が可能になる。
この廃水処理ソリューションの中心となるのがOmniflo SBRシステムで、これは生物学的処理により、化学的酸素要求量(COD)と生物化学的酸素要求量(BOD)を低減させる機能をもっている。このシステムはSiemensのVari-Cantジェット曝気を使っており、処理能力は日量1000立方メートルを超える。また、「オンデマンド」設計を採用しているため、間欠的に発生する廃水のバッチ処理に必要なときだけジェット曝気を使えばよく、電力消費量を大幅に削減することができる。
このソリューションはモジュラー構造を採用しているため、拡張が容易で、水流の一部をリサイクルして交互利用することができ、それによってウォーター・フットプリントを低減させることが可能である。また、栄養塩除去の機能もあり、フィリピンで将来予想される廃水排出規制の強化にも対応しやすくなっている。さらに、ジェット曝気機構が長寿命であることや電気機械的部品が水中に一切ないことなど、システム全体が保守の必要性を極力減らすように設計されている。