国連環境計画(UNEP)は、2011年3月24日、地中海の海洋および沿岸域の環境保護を目的とする2つのバルセロナ条約に関する議定書の承認が得られ、施行されると公表した。
施行されるのは、沿岸域の石油および天然ガスプラットホームに関する議定書、及び統合的沿岸管理(ICZM:Integrated Coastal Zone Managemen)に関する議定書の2件である。
ICZM議定書については昨年EUが批准している。同議定書の批准国はEUの他、アルバニア、フランス、スロベニア、スペイン、シリアの5か国。沿岸域の石油および天然ガスプラットホームに関する議定書はアルバニア、キュプロス、リビア、モロッコ、シリア、チュニジュアが批准している。
環境活動家もこうした法制化の動きを歓迎している。欧州委員会によると、従来、沿岸および海洋マネジメントスキームを統合化した形で実行しているEU加盟国は非常に少なかったという。
これらの議定書の承認において国連環境計画・地中海行動計画 (MAP:Mediterranean Action Plan) の幹部であるMaria Luisa Silva Mejias氏は、大規模な石油流出が起こった場合や、沿岸部の保護をより効果的に進める際に、ヨーロッパ南部各国の対策の調整を可能にするだろうとしている。
3月23日、欧州委員会は海洋計画の策定と共に、ICZMに関するEU法の見直しを開始した。これは沿岸部の経済および環境に対して承認された議定書がもたらす影響を、関係者間で意見交換しあうことを目的とするものである。
欧州委員会は24日付のプレスリリースにおいて、長期的に沿岸海洋資源が社会にもたらす恩恵の維持、及び今現在そこから利益を得ている利害関係者との兼ね合いを鑑みて、透明性のある計画策定を管理方式が必要とされると述べた。
検討会に参加する利害関係者は5月20日までに各自の見解を提出する必要がある。その結果如何によって、2011年末までにICZM勧告の改正案が提出される可能性がある。