アフリカの都市にはグリーンインフラが必要――国連報告書

国連は2011年3月21日に発表した報告書の中で、アフリカの都市人口の増加が引き起こす課題として水と公衆衛生の問題に言及した。この課題に関して、2011年の世界水の日に向けた会議で国連環境計画(UNEP)のTim Kasten氏は、グリーンインフラに関わる革新的な技術を用いた解決策を模索する必要があると述べた。

国連環境計画と国連人間居住計画は、報告書の中で従来の技術だけでは拡大する都市が抱える問題に対応しきれないと指摘。アフリカの都市で急激に人口が増加する中、安全な飲料水へのアクセスと公衆衛生環境の整備が立ち遅れている点を課題として挙げる。

アフリカでは急速に都市化が進み、1990年の段階では2億500万人だった都市人口が、2011年現在、4億人に達している。2050年までにはアフリカの中心都市全体の人口が12億人まで増加するとみられている。

報告では、雨水集水や、アフリカにおいて90%が未処理のまま垂れ流しされている排水に対して浄化作用の期待できる森林や湿地等の保護を提言している。