淡水の世界需要が20年以内に供給量を40%超過――シェルCEOが指摘

ロイヤル・ダッチ・シェルのピーター・ヴォーザー最高経営責任者(CEO)は、淡水の世界需要は20年以内にその供給量を40%上回る可能性があると危惧している。2011年6月9日、ヴォーザーCEOは、シェルが国際エネルギー機関(IEA)、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)と共同で、エネルギー産業における水使用に関する研究を行っていることを明らかにした。オランダのハーグに本拠を置くシェルは、水再生技術の利用をブラジルやその他のプロジェクトで試験的に開始している。

「今日の水処理技術はエネルギーを大量に消費し、CO2の排出量を増加させる。水の使用量とCO2の排出量を共に削減することのできる技術の開発が課題である」とヴォーザーCEOはシェルのウェブサイトで述べている。

「いくつかの中東諸国は、国内で消費される65%もの石油を海水淡水化プラントの稼働のために消費している。それと同時に、その海水処理が原因でペルシャ湾の塩分濃度を上昇させている。海洋の塩分濃度の変化は、海洋の循環や気候変動にいずれ憂慮すべき影響を及ぼしうるとNASAは指摘している」と世界規模の水問題に対してヴォーザーCEOはコメントしている。