北米の自治体で使われる飲料水・廃水用化学品市場――2015年には23億ドル超との予測

150社を超える企業は、カナダと米国の自治体の飲料水・廃水事業者のために70種のさまざまな化合物に活発に値をつけている。買い手は、米国の6万の事業者とカナダの6千の事業者である。このような統計データは次の3つの絶えず更新されているMcIlvaineオンライン・サービス、すなわち、North American Public Water Plants and People、North America Municipal Wastewater Treatment Facilities and People DatabaseおよびWater and Wastewater Treatment Chemicals: World Marketsから得られたものである。

ほとんどの入札の契約年数は、1年間で、もっともよくある契約期間は、1月から12月で、次いで7月から翌年の6月である。契約には、2年間のものもあるし、数は少ないが、5年間のものもある。ほとんどの事業者は、契約のスケジュールを決めているので、当年の契約が終わる時期から次の入札日付が予測できるようになっている。

個々の入札には20社もの企業が値段を提示している可能性がある。もっと大規模な入札では多くの製造業者が値段を提示している。小規模な事業者は、主として地域の化学物質流通業者から入札を受けている。購入量は、最大と最小の事業者の間では1,000倍異なる。

購入されているのは、基礎化学製品(bulk chemicals、エチレン、ベンゼンやその誘導体など汎用の高分子や化学製品の原料となる石油化学製品が含まれる。)と特殊化学製品の両方である。前者は、特定の化合物の明細に基づいて購入される。後者は、その能力に基づいて購入される。事業者は、以前の経験に基づいてあるいは特定の製品が必要な能力特性を持つと認定する試験をしてでも、特殊化学製品の入札者を限定する可能性がある。

基礎化学製品に分類されているものの一部にはよく特殊化学製品として扱われるものがある。ある水事業者は、過去に破片や純度の問題があったということで粉砕石灰に120ドル(約9,200円)/トンという付け値を受け入れなかった。この場合、133ドル(約10,000円)/トンという値を付けた入札者が落札した。なかには、200ドル(約15,000円)という高値を付けたサプライヤーもいた。このような入札の付け値の違いは、一部は薬品の生産工場と購入者との間の距離に関係している。

主な化学製品のトン当たりの標準的な価格は、次のとおり。

化学製品 ドル(円)/トン
石灰 140(10,000)
硫酸第二鉄 200(15,000)
液体塩素 850(65,000)
ポリマー低価格 1,000(77,000)
活性炭(粉末) 1,200(92,000)
ポリマー高価格 2,000(153,000)
過マンガン酸カリウム 6,000(459,000)

トン当たりの価格の違いは、化学製品によっても地理的位置によっても大いに異なる。たとえば、石灰は、異なる地理的位置と形態を考えると、トン当たり100ドル(約7,600円)から200ドル(約15,000円)まで変動する。

また、自治体が用いる飲料水用と廃水用の化学製品の市場規模の2011年と2015年の予測値(ドル(円))は、次のとおり。

飲料水 廃水
2011年 2015年 2011年 2015年
米国 6億8000万
(520億)
8億1000万
(619億)
11億7000万
(895億)
14億400万
(1074億)
カナダ 7200万
(55億)
8600万
(66億)
6200万
(47億)
7500万
(57億)
合計 7億5200万
(575億)
8億9600万
(685億)
12億3200万
(942億)
14億7900万
(1131億)

米国とカナダの自治体が使用する飲料水・廃水用化学製品の全市場は、2015年には23億7500万ドル(約1820億円)にふくらむとみられる。