アブダビ、2013年から国際水サミットを主催へ

アブダビの皇太子でアラブ首長国連邦(UAE)の軍副最高司令官を務めるShaikh Mohammed bin Zayed Al Nahyan殿下は2012年1月18日、開催中の世界未来エネルギー・サミットの会場で記者会見し、乾燥地帯における水の安全保障を推進するため、アブダビの主催による国際水サミットを2013年から開催することを明らかにした。第1回の国際水サミットは2013年1月の世界未来エネルギー・サミットに合わせて開催される。

この記者会見には、Shaikh Mohammed殿下のほかに、UAEのRashid Ahmed bin Fahd環境・水資源大臣、Masdar社のSultan Ahmed Al Jaber CEO、および国際水協会(IWA)のGlen Daigger会長も同席した。

「水は石油よりも重要」:

記者会見でFahad環境・水資源大臣は、世界の多くの国が水資源の深刻な問題に直面しているとし、その原因として、人口増、農業用水の需要増加、経済成長、そして持続可能性を無視した水の消費パターンを挙げた。同大臣はまた、気候変動が水不足に拍車をかけていることを強調した。

Masdar社のAl Jaber CEOは、国際水サミットの開催は世界が直面する喫緊の課題を解決しようとする国際的な取り組みにおいてUAEがはたすべき重要な役割を反映したものだと語った。Al Jaber CEOはまた、Shaikh Mohammed殿下のことばを引用し、UAEにおいては「水は石油よりも重要」だと述べた。これは、UAEのような石油を基盤とする経済にあっては水が何にも増して重要な課題であることを大胆かつ明確に示す発言として注目される。

水とエネルギーの密接な関係:

Al Jaber CEOはさらに、水とエネルギーのあいだに密接な関係があることを強調し、アラブ地域などの淡水源に乏しい国においては、造水および水処理のコスト全体の70%以上を淡水化、輸送、貯蔵、および送配水に必要なエネルギー・コストが占めていることを指摘した。

Al Jaber CEOはまた、中東と北アフリカが世界で最も水不足の深刻な地域であるとし、これら地域には世界人口の6.3%が住んでいるにもかかわらず、世界中の再生可能な淡水のわずか1.4%にしか恵まれていないと語った。世界全体を見ると、43ヵ国でおよそ7億人が水不足に悩まされており、同CEOは、そうした地域では人口増にともなってこれからますます水資源の需要が高まってくると予測している。