台湾自来水(水道水)公司(TWC:Taiwan Water Corpration)は2012年4月5日、管轄する水処理施設において高い値のアルミニウムが検出されたとの報告に対し、台湾の水道水の水質は飲料水として使用できるレベルにあると反論した。
成工大学水質研究センターは、2年間にわたり台湾の水処理施設59カ所に対する検査を行ってきた。報道によれば、検査が実施された水処理施設59カ所の内、18カ所の施設において、警戒値である0.15ppmを超える量のアルミニウムが水中に含まれていた。また、台湾南部の水処理施設でもかなりの量のアルミニウムが検出されたという。
これに対しTWCは、件の警戒値は世界保健機関(WHO)が提唱する基準よりも厳しいものだとし、検査では台南にある水処理施設を除き他の全ての水処理施設においてWHOの基準を下回ったと発言した。また、それに加えて、国立成功大学の報告は1年前に発表されたものだと述べている。
基準値を超えるアルミニウムが検出された水処理施設18カ所は、計129万世帯に水を供給している。アルミニウムの過剰摂取の影響の1つとして、認知症やその他認知能力が低下するリスクが増加することが挙げられるが、TWCは心配する必要はないと主張する。
アルミニウムは、水をろ過する工程で砂やその他の不純物を取り除くために使用される。TWCは、ろ過されるまでに金属が残るのはごく僅かであり、水処理に用いられるアルミニウムの多くは各世帯に届くまでに水処理施設で取り除かれると説明している。その一方でTWCは、今後アルミニウムの使用量を減らすため努力を重ねるとの意向も示している。