Suez Environment、エネルギー生産型下水処理でDHIおよびNTUと協力―シンガポールPUBのプロジェクト

Suez Environmentは2012年7月10日、シンガポール国営水道公社(PUB)の資金補助による「エネルギー+」研究開発プロジェクトの一環として、デンマーク水理研究所(DHI)およびシンガポールのナンヤン工科大学(NTU)と協力して研究を進めることで両社と合意書を交わしたことを明らかにした。

エネルギー生産型下水処理プラントをめざす「エネルギー+」プロジェクト:

これはシンガポールPUBが200万ユーロ(約1億9000万円)を補助して進めている研究開発プログラムで、既存の下水処理プラントを対象とした新たな最適化のコンセプトを創出し、エネルギーの消費量より生産量のほうが大きいエネルギー生産型下水処理プラントへの道をひらくことを目的としている。

3年計画のこの研究開発プログラムは、活性汚泥をベースにした集約処理システムをつなげて新たな下水処理ラインを構成するとともに、嫌気性消化によるバイオガスの生産を増やそうという試みである。こうすることで、水のラインのエネルギー消費を節減しつつ汚泥ラインのエネルギー生産を増やすことができ、施設全体のエネルギー効率が高まることにより、プラントのエネルギー自給自足が達成される。

将来は他の東南アジア諸国に展開も:

この「エネルギー+」プロジェクトで、Suez Environmentは汚泥ラインを中心に技術とノウハウを提供する。準産業規模のパイロット試験を基本とすることプロジェクトは、PUBのクランジ水再生利用プラントで実施される。

エネルギー生産型下水処理プラントへ向けたこの革新的方法は、シンガポールの既存の下水処理プラントで時間をかけて実用化していくことになっている。さらに、将来は他の東南アジア諸国の下水処理プラントに展開していくことも考えられている。

シンガポール国際水週間の開催中に協力合意書に調印:

Suez Environmentとデンマーク水理研究所およびナンヤン工科大学とのあいだの「エネルギー+」プロジェクトに関する協力合意書の調印式は、シンガポール国際水週間の開催中におこなわれた。調印式には、Suez EnvironmentのPaul-Joël Derian研究・イノベーション・パフォーマンス部長、デンマーク水理研究所シンガポールのOle Larsen所長、ナンヤン工科大学ナンヤン環境・水研究所のJern Wun Ng所長が臨んだ。