中国科学技術部(MOST)、国家発展改革委員会(NDRC)は、2012年8月14日付けで「海水淡水化科学技術発展十二五専門計画」(以下「計画」)を公表した。同「計画」は、「国家中長期科学と技術発展計画綱要(2006-2020年)」の徹底化、全国海水淡水化関連技術発展とイノベーションへの指導・推進、海水淡水化産業発展の促進を目的として、科学技術部、国家発展改革委員会が策定・公表したものである。同「計画」では、2015年に向け、発展目標、重点任務を明確にしている。その主な内容は以下の通りである。
全体目標
中国の海水淡水化技術イノベーションシステムを概ね形成し、海水淡水化技術を世界先進レベルに近づける;海水淡水化の関連産業の育成と発展を加速し、技術革新により、海水淡水化産業の競争力を向上させる;海水淡水化モデル事業の建設を促進し、沿海地域の水資源安全保障能力を向上させる。
具体的な目標と指標
- 6つ以上の独自の知的財産権を有する海水淡水化関連基礎技術の開発。
- 6つ以上の独自の知的財産権を有する海水淡水化重要設備の研究・製造。
- 水の生産量が5万トン/日以上の大型海淡水化モデル事業を2-3箇所建設し、重要設備の国産化率を75%以上に達成させる。
- 新技術、新材料、新処理プロセスの導入を通じて、海水淡水化関連事業のエネルギー消耗と生産コストを20%削減させる。
- 海水淡水化技術に関する特許の獲得80件以上、海水淡水化関連技術基準の制定20項以上を達成し、人材を育成する。
- 2-3の海水淡水化産業技術イノベーション戦略連盟を構築し、10社以上の国際競争力を持つ海水淡水化重要部品と設備製造企業を育て、海水淡水化産業サプライチェーンを形成する。
重点任务
同「計画」では、以下のような重要任務を明確にしている。
分野 | 任務 |
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重要技術とコア設備 | 逆浸透海水淡水化膜及びユニットの製造技術の開発とプロジェクト利用 |
エネルギー回収装置の開発とプロジェクト利用 | |
海水高圧ポンプと海水高圧循環増圧ポンプの開発とプロジェクト利用 | |
海水前処理膜と連続膜濾過装置の開発とプロジェクト利用 | |
蒸留法による海水淡水化の熱伝導材料とコア部品の開発 | |
低温多重効用の蒸留海水淡水化蒸発装置の開発とプロジェクト利用 | |
プロジェクト基礎技術 | 淡水化水の後処理と市政水源として管網に入ることに関する技術研究 |
濃海水総合利用技術の開発 | |
濃海水排出技術開発とプロジェクト利用 | |
新技術と新処理プロセス | 電気吸着、膜膜結合、熱膜結合、膜蒸留、 正浸透などの海水淡水化新技術、新処理プロセスの開発と試験 |
モデル事業 | 大型逆浸透海水淡水化モデル事業 |
大型低温多重効用蒸留海水淡水化モデル事業 |