世界全体の工業用水への投資額は今後5年で800億ドルにのぼるとの予測

水資源への需要拡大、供給の不安定化、水質基準の強化といった理由により、世界の工業用水への投資は今後5年で800億ドル(約7兆2000億円)に達すると、世界最大級の金融グループHSBCが2012年11月28日に発表した報告書のなかで述べられた。廃水浄化、海水淡水化およびその他の水処理の分野への投資が増加していき、2013年から2017年にかけて市場規模は63%も拡大すると予測されている。

人口増加および気候変動が原因となり水資源の需要が増加したことで、水不足は世界的な問題となった。さらに、工業分野における生産工程の変化によって、より良い水質への需要が増加し、また水使用や排水への規制が強化されてきた。このような現状の中で、Veolia Environment、Suez Environment、Hyfluxなどの主要企業は、急速に成長している新興市場においてすでに存在感を示している。また、それらメインプレーヤーは技術的能力も高く、特に、最近話題になった鉱業分野における水問題に対しても、利益を上げているであろう。

HSBCによると、世界全体の水使用のうち工業分野が占める割合は、現在の18%から、2030年までには22%に拡大するという。その中で最も大きな伸びを示すのは中国市場である。一方、インドでの工業用水の2030年の需要は2005年比で4倍になり、南アフリカでは2.2倍になるという。