中国国土資源部が公開した地下水水質データに弁護士らが不満表明――国内メディアが報道

中国国内メディアによると国土資源部は弁護士から出されていた要求に応じ、地下水水質測定データを公開した。国内メディアはその経緯に関し以下の通りまとめている。

2013年の春節(2月10日)後、全国の水質汚染状況が社会の注目を集めた。黄楽平弁護士が関係資料を見た結果、国土資源部は2011年に全国の200都市の地下水の水質について測定を行ったがその後は測定の具体的結果を発表しておらず、2012年に発表した「2011中国国土資源公報」には測定結果のまとめを出しただけであった。そのため、黄楽平は情報公開申請を行った。
その後、回答期限日である2013年3月18日に、国土資源部は「情報公開告知書」などを送付してきたという。「告知書」では、「国土資源公報」で発表される地下水調査評価業務の進展及び測定結果の分析、国土資源部中国地質調査局所属の中国地質環境測定院が作成する「全国主要都市・地域地下水情報通報」、中国地質環境情報ネットで発表される国家級地下水測定地点での水位情報が含まれていた。

こうした対応に関し黄楽平弁護士は、国土資源部の態度は誠実で回答は一応速やかなものであったと評価したが、測定データそのものについては不満が残るとしている。資料の内容は測定結果の羅列に留まり全体のまとめが欠落し、都市の地下水の水質がいいのか悪いのか判断できないと黄氏は指摘する。また、黄楽平弁護士らによると、一部の重要な水質指標が測定されていないようだという。
黄楽平弁護士らは環境保護の専門家に表の解読に参加してもらい、このデータから水質汚染問題がわかるかどうか分析する予定とのことである。

中国環境科学研究院の元研究員はこのデータ表について、1993年の「地下水質量標準」には39項目の測定項目が定められているが、この表ではうち23項目しか入っておらず、総大腸菌群、細菌総数など16項目が入っていないと指摘している。また、記入されず空白になっている項目が多く、例えば北京市の地下水については、鉛、カドミウムなど11項目が空白となっているという。