米国オハイオ州シンシナティ市は2013年3月18日、グローバル水技術イノベーションハブの設立に向け、イスラエルおよびカナダ企業と提携したことを発表した。同イノベーションハブは、費用効果的な水技術を開発、実用化する役割を担うことが期待されている。また、水ユーティリティ、企業、研究者そして政府間の官民パートナーシップを通して、水関連技術、研究、政策を加速させるための世界的な拠点としての機能を果たす。
シンシナティ市のMilton Dohoney Jr氏は「地元の上下水道ユーティリティやアカデミック分野、そしてシンシナティにあるEPAの研究開発オフィスの力を結集し、世界クラスの水技術イノベーションハブを設立する時が来た」と述べた。EPAの研究複合施設は22エーカー(約8万8000 m2)の敷地面積を持つ米国で最大級の水に関する研究施設であり、シンシナティ市は水技術イノベーションで世界をリードすることを目指す。
このイノベーションハブはシンシナティ市、シンシナティ水道局(GCWW)、メトロポリタン下水道局(MSD)、Booky Oren Global Water Technologeis、そして米環境保護庁(EPA)の協力による成果である。Booky Oren Global Water Technologeis のCEOを務めるBooky Oren氏は、イスラエルの国営水企業Mekorotの前会長を務めた水分野の権威で、Mekorotの新技術を促進するWaTechベンチャーセンターにおいて500もの新技術を特定し、そのうちの30以上を商用化した経歴を持つ。
イノベーションハブでは、新たな産業インターネントプラットフォーム、合流式下水道越流水の削減、水質改善、水の安全管理、ワイヤレスセンサー技術などの分野に焦点をあてた研究が行われる。MSDのTony Parrott代表は、「MSDとGCWWは共同のユーティリティ管理の枠組みで活動しており、新しいイノベーションハブはその取り組みをさらに後押しするだろう。また、ハブの設立により、我々のユーティリティサービスを現在のサービスエリアより拡大し、料金を低く保ちながら新たな財源となるような新技術の開発を行うことができる」と述べた。