中国疾病制御センター、8年間の研究を経て水質汚染がガンを誘発する可能性を認める――中国国内メディアが報道

中国国内メディアは2013年7月、水質汚染と人体への影響について、最近の動向を伝えた。中国では水質汚染が原因で「ガンになる」といったことが近年報道等で騒がれてきたが、水質汚染とガンとの因果関係が認められたことはこれまでなかった。しかし中国疾病制御センターの専門家チームは2013年6月末に、8年間の研究成果を発表し、水質汚染が消化器腫瘍の発生と高い相関関係を持っていることを認めた。このことに関し同国内メディアは関係者の話として以下の内容を報じている。

2004年、淮河流域の水質汚染問題が注目されていた時、当時中国疾病制御センター副主任だった楊功煥は、ガンで苦しむ患者の画像を目にしたことからこの研究に取り組むことを決意し、2005年には研究チームとともに汚染地を視察した。
楊功煥らは汚染期間が長く、その程度も著しい汾河、泉河、沙頴河、渦河及び奎河などの支流地域と南四湖流域において、淮河流域の「1997年~2009年水質汚染頻度図」及び「1973年~2006年肝臓ガン死亡率変化図」を比較し、対象地域では肝臓ガンの死亡率が急速に上昇しており、全国平均の数倍のレベルとなっていることを見出した。
測定データによれば、淮河流域の汚染の主要なパラメータはアンモニアチッ素または非イオン化アンモニア、BOD5、CODなどである。主な汚染源は、工場排水、排ガス、固体廃棄物である。水質汚染の最もひどい時期は、1996~1997年、2001~2002年、2004~2005年であったという。

環境保護部の測定データによると、全国の665都市のうち、50%の都市の市街地の地下水の汚染がひどく、200余りの都市の地下水は劣悪または極度に悪い状態にある。都市の飲料水は浄水場での濾過、消毒などの加工を経て、一般的には基準値を達成できるが、一部の汚染は除去が困難である。

統計によれば、2億9800万人の農村人口の飲用水が安全とはいえず、水質汚染の被害は農村において多大なものとなる。大多数の農村地域では集中給水をしておらず、飲用水の処理能力も質も都市の水準には及ばず、農民は水質汚染の影響を直接受けることとなる。
多くの農村住民は浅井戸から水を得ている。河川など地表水の水源が汚染されると、深い井戸を掘らざるを得ないが、深井戸はコストが高く、農民の手に負えないことが多い。したがって現実には手近の水をそのまま使っており、重金属汚染を防ぐことが出来ないといった状況にあるという。